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すきっ歯に裏側矯正は向いている?メリット・デメリットまとめ

「歯の隙間が気になって、思いっきり笑えない…」
「すきっ歯を治したいけれど、目立つ矯正器具には抵抗がある」

すきっ歯は、見た目のコンプレックスだけでなく、発音や噛み合わせに影響を及ぼすこともあり、矯正治療を考える方が多い症状のひとつです。その中で今、20-30代の女性を中心に「裏側矯正」が注目されています。矯正器具が目立たず、自然な笑顔を維持しながら治療を進められると、SNSでも評判になってきました。

とはいえ「すきっ歯に裏側矯正って向いてるの?」と不安に思う方がおられるかもしれません。

私自身は、25年以上にわたり矯正歯科医として、数多くの患者さんのすきっ歯治療に携わってきました。その中で、裏側矯正を選んだ患者さんからも多くの成功例と喜びの声をいただいています。この記事では、私の経験を踏まえ、すきっ歯治療における裏側矯正の可能性について、メリットや注意点を含めてわかりやすく解説します。

▼お急ぎの方は動画に概要をまとめましたのでご覧ください▼

「すきっ歯」になる5つの原因

すきっ歯は、歯と歯の間に目立つ隙間がある状態のこと。専門的には「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼ばれます。この状態は見た目だけでなく、噛み合わせや口腔全体の健康に影響を与える可能性があるので、矯正を強くお勧めしたい歯並びのひとつです。

すきっ歯

すきっ歯の主な原因

「すきっ歯」はどのような原因で生じるのでしょう。以下に主な原因を挙げてみましょう。

歯の大きさや本数の問題

歯が小さい場合や、生まれつき一部の歯が欠損している場合、歯列全体に隙間ができやすくなります。また、特定の歯が通常よりも小さい「矮小歯(わいしょうし)」が原因となるケースもあります。

顎の大きさとの不均衡

歯のサイズに比べて顎が大きい場合、歯が広がって隙間が生じます。この不均衡は遺伝的要因によるものが多いとされています。

舌や口腔内の癖

幼少期の指しゃぶりや舌で歯を押す癖(舌突出癖)は、歯並びを外側に広げる原因となります。また、口呼吸が習慣化していると舌の位置が低くなり、歯列が広がることがあります。

歯周病や加齢による影響

歯を支える骨(歯槽骨)や歯茎が弱くなると、歯が移動しやすくなります。これにより隙間が生じることがあり、特に歯周病の進行が原因となるケースが増えています。

事故や外傷

転倒や事故による衝撃で歯が移動し、隙間ができることもあります。

歯並びというものは、患者さん本人の意思とは関係ないところで生じやすいのですが、いずれも矯正すれば問題ありません。

すきっ歯が引き起こすリスク

「すきっ歯」を放置しておくと、見た目だけでなく、健康上の問題につながる可能性があるので、注意してください。細かくいえばキリがありませんが、以下にすきっ歯が引き起こすリスクをまとめておきますね。

見た目のコンプレックス

すきっ歯は笑ったり話したりしたときに目立ちやすいため、多くの方が気にされるポイントです。特に前歯に隙間があったりすると、第一印象にも影響を与えますので、治療に来られる方が多いです。

発音への影響

隙間があることで、「サ行」や「ス」の音が漏れるようになり、発音が不明瞭になることがあります。特に接客業や人前で話す仕事をしている方にとっては、大きな悩みの種となることがあります。

食べ物が詰まりやすい

隙間に食べ物が挟まりやすく、歯ブラシで除去しづらいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。この状態を放置すると、さらに隙間が広がる悪循環に陥ることがあります。

噛み合わせの乱れ

歯が正しい位置にないと噛み合わせが悪くなり、顎関節症や消化不良、肩こりなど全身に影響を及ぼすことがあります。すきっ歯は、これらのトラブルの引き金となる可能性があります。

歯の移動や歯列全体への影響

隙間のある歯は移動しやすく、周囲の歯列全体に影響を及ぼします。結果として歯並びがさらに乱れる原因となり、矯正治療が複雑化することもあります。

歯ブラシを持った女性

すきっ歯の放置がもたらす長期的な影響

すきっ歯を長期的に放置していると、さらに問題が大きくなってしまうことがあります。たとえば、

  • 咀嚼力の低下:
    食べ物を十分に噛めなくなることで消化器官に負担をかける。
  • 歯のすり減り:
    不均衡な力が特定の歯にかかるため、歯が摩耗しやすくなる。
  • 全身の健康リスク:
    歯周病が進行することで心疾患や糖尿病などのリスクが高まる可能性も指摘されています。

もし、あなたが「すきっ歯」でお悩みでしたら、上記のようなリスクを正しく理解しておいてください。もちろん、矯正治療するなら、早いに越したことはありません。

「すきっ歯」を裏側矯正で治療するメリット

すきっ歯の治療にはさまざまな選択肢がありますが、その中でも「裏側矯正」は目立たないことに加え、すきっ歯に合った矯正計画を立てやすい治療法として注目されています。

以下に「すきっ歯」を裏側矯正で治療するメリットをまとめてみました。

治療中でも目立たない安心感

裏側矯正の最大のメリットは、装置が歯の裏側に装着されるため、矯正していることがほとんど目立たない点です。矯正中も笑顔や話し方に自信を持てるため、特に営業職や接客業の方にとって大きな魅力となります。日常生活や仕事の場面でも矯正中であることを気にする必要がないため、ストレスを軽減しながら治療を続けられるのです。

すきっ歯に特化した柔軟な治療計画

裏側矯正は、歯列全体の調整がしやすい治療法です。すきっ歯のように前歯に特に注意が必要なケースでは、隙間を埋めるための細かな調整が可能となります。また、奥歯の噛み合わせを考慮した治療も同時に行えるため、見た目だけでなく全体的な歯列バランスを整えることができます。ドクターのテクニックの差もありますが、裏側矯正は柔軟な治療計画を立てられるので、仕上がりが自然で美しい歯並びを実現できるのです。

埼玉大宮の矯正歯科医セレーノ矯正歯科

噛み合わせの改善で機能性も向上

すきっ歯治療では、見た目だけでなく噛み合わせの改善も重要なポイントです。裏側矯正は、歯列全体を包括的に調整できるため、噛み合わせを正しく整え、安定させることが可能です。正しい噛み合わせは、将来的な歯の移動や咬合不良による問題を予防する効果も期待できます。

発音の改善効果も期待できる

すきっ歯が原因で「サ行」や「タ行」などの発音が不明瞭になるケースでは、裏側矯正を通じて舌の位置や動きが改善され、発音がクリアになることがあります。装置による舌の自然なリハビリ効果が、舌の動きを正しい位置に導くためです。

カスタマイズされた治療計画

裏側矯正では多くの場合、患者さん一人ひとりの歯並びや口腔内の状態に合わせたオーダーメイドの治療計画が立てられます。装置は歯の裏側にぴったりとフィットするよう個別に作成されるため、できるだけ快適性が高く作られますし、治療中の違和感を最小限に抑えることができます。また、定期的な調整によって治療の進行を細かく管理でき、理想的な仕上がりにこだわることが可能です。

歯と歯の隙間を埋めることで得られる口腔衛生の向上

すきっ歯を改善することで、見た目が良くなるだけでなく、口腔衛生も向上します。きれいに隙間をなくすことで歯ブラシが隅々まで届きやすくなり、食べ物が挟まりにくくなります。その結果、虫歯や歯周病のリスクが軽減され、長期的に健康な歯を維持する手助けとなるのです。

裏側矯正で機能と美しさを両立

裏側矯正は、見た目の美しさと機能性を両立できる優れた治療法です。すきっ歯の治療においても、歯列全体のバランスを整えながら隙間を埋めるため、最終的な仕上がりに対する満足度が高い治療法といえるでしょう。

歯の模型をもって説明する歯科衛生士

「すきっ歯」を裏側矯正で治療するデメリットと注意点

裏側矯正には多くのメリットがあり、デメリットというデメリットはほとんどありません。ですが、そういわれると、良いことだらけで、かえって不安ですよね。また、他の治療方法に対して、公平ではないと思いますので、ここでは「強いて言えば」という前提において、デメリットや注意点をご紹介しておきます。

矯正歯科医の技術に依存する治療法

裏側矯正は高度な技術を必要とするため、治療結果は矯正歯科医のスキルに左右されます。他の矯正方法、特にマウスピース矯正やインビザラインに比べると、技術的な熟練度が求められる治療法です。そのため、経験不足の歯科医に依頼すると、治療が予定通りに進まない可能性があります。裏側矯正を検討する際には、経験年数や実績のある矯正歯科医を選ぶことが非常に重要です。症例結果なども参考にして、信頼できる歯科医を見つけましょう。

舌に触れる違和感

装置が歯の裏側に装着されるため、特に治療開始直後は舌が装置に当たる違和感を覚えることがあります。軽い痛みや刺激を感じる方もおり、発音がしにくくなることも少なくありません。特に「サ行」や「ラ行」など、舌を挙上する音に影響が出やすいです。ただし、多くの患者さんが数日~数週間以内に慣れるため、一時的な問題であることがほとんどです。また、小型の装置を使用し、裏側矯正専門家が設計した装置ポジションだと違和感が軽減します。

歯磨きがしづらい

裏側矯正の装置は見えない位置にあるため、食べ物が詰まっても気付きにくいことがあります。適切に歯磨きを行わないと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。ただし、矯正歯科医から歯磨きの指導を受け、必要であれば専用の歯ブラシを使用することで、問題は十分に解消可能です。日常的に丁寧なケアを行うのは、矯正治療中であるかどうかにかかわらず、健康上たいせつです。いずれにしても、矯正中の歯磨きについても、すぐに慣れてしまう方がほとんどです。

費用が高くなる可能性

裏側矯正は、装置の製作や治療計画に高度な技術が必要なため、一般的に他の矯正方法よりも費用が高くなる可能性があります。装置は患者ごとの歯列に合わせてオーダーメイドで作成されるため、その分のコストが発生するからです。また、治療中の調整も頻繁に行われるため、矯正歯科医の労力も大きく影響します。ただし、治療費については分割払いなどの柔軟な支払い方法が用意されている場合もありますので、事前に相談してみると良いでしょう。

このように、裏側矯正には、矯正歯科医の技術に依存する点や費用が高くなる可能性といったデメリットがあるにはありますが、いずれも適切な対応を求めれば心配いりません。費用についてはいかんともしがたいものですが、当院の患者さんからも「裏側矯正で得られる仕上がりの美しさを考えれば、この費用は納得できる」という声をいただいています。

大宮の裏側矯正専門セレーノ矯正歯科

裏側矯正が向いている人

「すきっ歯」に限りませんが、矯正治療をお悩みの方に、裏側矯正に向いている人の特徴をまとめてみましょう。迷われている方は、治療の選択肢として、参考にしてください。

見た目を気にせず治療を進めたい方

裏側矯正は装置が歯の裏側に設置されるため、矯正中でも外見にほとんど影響がありません。「矯正していることを周りに知られたくない」と考える方には、最適な治療法といえるでしょう。特に、営業や接客業など人前で話す機会が多い職業の方にとって、この特長は大きなメリットとなります。

プライベートや仕事での印象を重視する方

結婚式やプレゼンテーションなど、重要なイベントが控えている方にも裏側矯正はおすすめです。矯正中も見た目に自信を持てるため、日常生活を普段どおり快適に過ごすことができます。「矯正装置が見えてしまうのでは?」という不安を払拭しながら治療に専念できます。

自然な仕上がりを重視する方

裏側矯正は、歯列を整えるだけでなく、矯正終了後の見た目、審美性にこだわる治療法です。特にすきっ歯の場合、歯並びだけでなく噛み合わせや顔全体のバランスを考慮しながら治療を進められる点が特徴です。そのため、仕上がりの自然さや美しさを求める方に適しています。

矯正中のケアを積極的に行える方

裏側矯正は、装置が見えないぶん、日常的な口腔ケアやトレーニングにやや手間がかかることがあります。そのため、ドクターの指導に基づき、矯正中のメンテナンスにしっかり取り組める方、丁寧なケアを習慣化できる方に特に向いています。矯正歯科医に協力的になることで、治療期間も最短に、治療効果も最大限に引き出すことができます。

歯列矯正を終えて微笑む女性

まとめ

すきっ歯治療において「裏側矯正」は、目立たない装置で自然な笑顔を保ちながら治療を進められるという大きなメリットがあります。また、歯列全体のバランスを整えながらすき間を埋める治療計画が可能で、審美性と機能性を両立できる優れた選択肢といえるでしょう。矯正中も発音や噛み合わせの改善が期待できる点も注目に値します。

ただし、裏側矯正には高度な技術が必要であり、矯正歯科医の経験やスキルによって結果が左右されることも事実です。信頼できる歯科医を選び、適切なケアを怠らないことで、デメリットを最小限に抑えることが可能です。

「矯正器具が目立たないこと」「治療後の仕上がりの美しさ」にこだわりたい方、そして「すきっ歯を治して笑顔に自信を持ちたい」という方には、裏側矯正は最適な治療法のひとつです。この記事を通じて、裏側矯正の魅力とその可能性についての理解が深まり、前向きに治療を検討していただければ幸いです。

埼玉県大宮の裏側矯正専門歯科医、タケダ

執筆・編集:竹田 彰

大宮の裏側矯正専門セレーノ矯正歯科の院長、竹田です。25年以上にわたって裏側矯正を専門に治療してきました。歯並びを整えることはもちろんですが、それ以上に、顔全体のバランスを美しく保ちながら、自然な笑顔を引き出すことを信念にしています。

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About

大宮の裏側矯正専門セレーノ矯正歯科は、口ごぼ、出っ歯、すきっ歯など歯並びでお悩みの方のための目立たない歯列矯正を行っています。歯並びや噛み合わせだけではなく、健康的で美しい笑顔を目指しています。すべての調整はキャリア25年以上の院長が担当しますので、ご安心ください。歯を見せて思い切り笑顔になれる人生を選択しませんか?