「マスクを外すとき、口元が恥ずかしくて躊躇する…」
「口が小さくて幼く見える…もう少し大人っぽくしたい」
「矯正か整形か…どちらが合っているのかわからない…」
このようなおちょぼ口の悩みを抱えている方は決して少なくありません。当院の患者さんにも、口元の印象を変えたい方が数多くいらっしゃいます。特に近年は、マスク生活が長く続いた影響で、いざマスクを外したときの口元への意識が高まっている傾向があります。
私は現在、埼玉県で裏側矯正の専門医として、25年以上にわたり歯列矯正治療に取り組んでいます。今回の記事では、おちょぼ口の主な原因から整形手術の限界、そして根本的な改善が期待できる矯正治療まで、医師の立場から正直にお話しします。
ネット上には楽観的すぎる情報も多く見られますが、現実的で信頼できる情報をお伝えしたいと思います。メイクでは限界があり、口元に強いコンプレックスを抱えている方にとって、最適な選択肢を見つけるお役に立てれば幸いです。
も く じ
Toggleおちょぼ口の原因3つ→大半が歯の位置のズレ

おちょぼ口とは「口元を小さくすぼめたような状態」や「口先が尖って見える状態」のことです。多くの方が考えているより、おちょぼ口の原因は「歯の位置のズレ」にあることが大半で、矯正治療によって改善できる可能性が高いといえます。
一方で、整形手術を検討される方も多いですが、まず第一に「歯」に関連する原因を正しく理解することが重要です。当院では、こうした口元のお悩みを持つ方の相談を数多く受けており、適切な診断により改善方法を提案しています。
では具体的に「歯」に関連するおちょぼ口の原因を3つに分けて掘り下げ、解説していきます。
原因① 前歯が前方に出すぎている
おちょぼ口に多い原因は、前歯が前方に突出している状態です。上顎前突(出っ歯)や上下顎前突(口ゴボ)といった状態では、口元全体が前に押し出され、口を閉じたときに唇の先端部分が突き出たような印象になってしまいます。また、横顔で見たときにEラインよりも口元が前に出てしまう方も多いでしょう。
この原因から、おちょぼ口は矯正治療での改善が期待できるケースが多いです。前歯の位置を適切に調整することで、唇が自然な位置に戻り、口元の印象の変化が見込めるでしょう。整形手術を考える前に、まずは歯科矯正を検討してみることをおすすめします。
当院の裏側矯正では、歯の裏側に装置を取り付けることから、治療中の見た目を気にすることなく、理想的な口元を目指すことができます。
※Eラインとは、横顔で鼻先とあごの先端を結んだ直線のことです。
原因② 歯列アーチの幅が狭い
歯列アーチの幅が狭いことも、おちょぼ口になる原因の1つです。あごが小さくて、歯の並ぶ間隔が十分にとれない場合、歯は本来の位置よりも前方に並び、それに伴って口元が前に出やすくなります。
横顔で見ると口元の張り出しが目立ちやすく、正面から見ても口が小さくすぼまったような印象を与えやすいでしょう。
当院では、このような歯列アーチの問題に対して、適切な矯正治療を行っています。歯列の幅を広げることで、歯が自然な位置に並び、口元の突出感が改善される場合が多いのです。
ただし、無理な拡大にならないように、慎重な診断と治療計画が必要です。矯正専門医による詳しい診断を受けることで、あなたに最適な治療方針を決めることができるでしょう。
※歯列アーチとは、歯が弧を描いて並んでいるU字型の歯並びのことです。
原因③ 上下の噛み合わせがズレている
上下の歯の噛み合わせにズレがあることも、おちょぼ口の原因となります。上の前歯と下の前歯の間に大きな前後的な差(オーバージェット)がある場合、口を閉じたときに唇の先端が前に出て尖ったような形になることがあるのです。
このような噛み合わせのズレがあると、口元がすぼまったような印象を与えることも多く、おちょぼ口特有の見た目になりやすいでしょう。
また、噛み合わせの問題は見た目だけでなく、食べ物を噛み切りにくいことや発音への影響といった機能面の問題も生じるため注意が必要です。
私が診てきた症例では、適切な矯正治療により噛み合わせを改善することで、おちょぼ口の印象が和らぎ、より美しい口元になる方が多くいらっしゃいます。
以上、おちょぼ口の具体的な3つの原因について詳しくお話ししました。また、人によっては唇の厚みや口周りの筋肉バランスが関係する場合もあります。口輪筋が強いと、口を閉じたときに口先が尖って見えることもあるでしょう。
おちょぼ口は整形手術で改善できないの?

整形手術でおちょぼ口を改善したいとお考えの方は少なくありません。しかし、実際のところ整形による効果には限界があるというのが、私の正直な見解です。
美容外科では、
- 口角挙上術(こうかくきょじょうじゅつ)
下がって見える口角を上向きにする整形手術です。口の両端を切開し、口角を上げる筋肉を調整することで、口を大きく見せる効果が期待できます。 - 人中短縮術(じんちゅうたんしゅくじゅつ)
鼻の下から上唇までの距離(人中)を短くする整形手術です。この部分が長いとおちょぼ口に見えやすいため、短縮することで口元の印象を変える効果が期待できます。
など、口元周辺を変化させるための手術が複数用意されており、それぞれ異なるアプローチで口元の見た目を改善していきます。ただし、これらはおちょぼ口の根本的な解決にはなりにくく、表面的な変化にとどまることも多いでしょう。
おちょぼ口は原因の見極めが重要
すでに解説した通り、おちょぼ口は「歯の位置のズレ」が主な原因となっているケースが大半を占めています。そのため、適切な診断により歯科的な原因を把握することが、改善への第一歩になると考えます。
まずは矯正歯科医の視点から、あなたのおちょぼ口がどの原因に当てはまるのか、または複数の原因が組み合わさっているのか、正確に見極めることが重要といえるでしょう。
それでも整形手術を検討される場合は?
整形手術を検討される場合は、手術のリスクを十分に理解しておくことが大切です。
- 表情が不自然になるリスク
- 感覚の変化や傷跡が残る可能性
- 複数回の施術が必要な場合もある
整形による変化は元に戻すことが難しいため、慎重な判断が求められるでしょう。
おちょぼ口には裏側矯正が断然おすすめ

重複しますが、おちょぼ口の大半の原因は「歯の位置のズレ」にあります。そのため、根本的な改善には整形ではなく矯正治療が第一選択です。中でも私が長年専門的に取り組んできた「裏側矯正」がおすすめします。
他の歯列矯正治療との違いは?
- 裏側矯正
歯の「裏側」に装置をつける矯正法です。装置が外から見えにくいため、治療を受けていることを気づかれずに日常生活を送ることができます。おちょぼ口の主な原因の1つである前歯の突出を後退させやすいメリットがあります。 - 表側矯正
歯の「表側」に装置をつける矯正法です。治療効果は高いものの、金属のブラケットやワイヤーが目立ちやすく、矯正治療を受けていることが周囲にすぐ分かってしまいます。治療中の見た目が気になる方には向かない治療法になります。 - マウスピース矯正
透明なマウスピースを装着して行う矯正法です。目立ちにくいメリットがある一方で、軽度以外の複雑な歯並びの改善には限界があり、患者さん自身での十分な管理も必要になります。
裏側矯正がおすすめな4つの理由
おちょぼ口の改善において、裏側矯正をおすすめする理由を4つ紹介します。矯正法の選択に迷われている方には、きっと参考になるはずです。
装置が見えにくく周りに気づかれにくい
歯の裏側に装置をつけるため、日常会話や笑顔の際にも隠す必要がありません。家族や同僚といった身近な人でも矯正治療に気づかないことが多く、装置の存在を意識せずに普段通りの生活を送れます。
治療期間中でも見た目のストレスがほとんどないため、精神的な負担を大幅に軽減できるでしょう。
歯並びの改善をリアルタイムで確認しやすい
装置が歯の裏側にあるため、治療の進行とともに整ってくる歯並びを直接確認できます。表側矯正のように装置で歯が隠れることがないので、変化が目に見えて分かるようになり、改善過程をリアルタイムで楽しめるでしょう。
早い段階から口元に自信を持てる方も多く、笑顔を我慢する必要もなくなります。
仕事や恋愛で見た目の心配が少ない
接客業や営業職では第一印象が重要ですが、裏側矯正なら口元の美しさを保ちながら治療を進められます。プレゼンテーションや面接といった重要な場面でも、堂々と話すことができるでしょう。
新しい出会いの場でも矯正装置を理由に消極的になることがなく、積極的にコミュニケーションを取れるはずです。
冠婚葬祭や写真撮影でも隠す必要がない
結婚式やお祝いの席などの大切な場面で、装置が写真に映り込む心配がほとんどありません。記念撮影では自然な笑顔で写ることができ、後で見返したときに装置が気になることも少ないでしょう。
SNSへの投稿や家族写真でも、口元を手で隠したり角度を調整したりする必要がなく、ありのままの表情を残せます。
以上、おちょぼ口には裏側矯正をおすすめする理由を4つ紹介しました。当院は、さいたま市大宮で裏側矯正専門の歯科医院として、キャリア25年の院長がすべての調整を担当しています。おちょぼ口でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ|おちょぼ口の悩み解決の第一歩を

おちょぼ口にコンプレックスを抱いている方にとって、矯正治療と整形手術のどちらを選ぶかは重要な決断です。ただ、今回解説したように、おちょぼ口の原因は大半が「歯の位置のズレ」にあります。
具体的におさらいすると、前歯の突出、歯列アーチの狭さ、噛み合わせのズレといった問題が関係しているため、矯正治療なら根本的な改善のお役に立てるはずです。特に裏側矯正なら装置が見えないため、治療中の見た目を気にすることなく取り組めるでしょう。
まず大切なのは、選択に迷わないように正確な原因を把握することです。詳しい診断により、おちょぼ口の原因を特定することが、適切な治療への第一歩となります。
マスクを外すことに不安を感じている方も、笑顔に自信が持てずにいる方も、1人で悩みを抱え込む必要はありません。専門的な診断を受けることで、きっと希望の光が見えてくるはずです。
当院では、あなたが心から自信を持って笑えるために、しっかりとサポートさせていただきます。この記事が、理想の口元への一歩を踏み出すきっかけとなれば、これ以上の喜びはありません。