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歯列矯正はなぜ痛い?いつまで続く?痛みを和らげる5つの対処法

「歯列矯正ってやっぱり痛い? 」
「痛みが怖くて踏み出せない…」
「でも歯並びは綺麗にしたい…」

初めての歯列矯正を前に不安が膨らむのは仕方のないことです。実際、当院へご相談にいらっしゃる患者さんも「痛みが心配…」「耐えられるかな…」とよくおっしゃいます。とはいえ、不安を抱えながらも、美しい歯並びへの憧れを捨てきれない方も多いのではないでしょうか。

私は埼玉県で裏側矯正を専門として治療を行っていますが、痛みに対する正しい知識と対処法があれば、あなたが想像するほどつらいものではありません

この記事では、歯列矯正で痛いと感じる時や原因、効果的な対処法などを包み隠さず解説します。痛みへの不安で治療をためらっている方に役立つお手伝いができれば幸いです。

▼お急ぎの方は動画に概要をまとめましたのでご覧ください▼

歯列矯正はどんな時に痛い?いつまで続く?

歯列矯正は痛いのか気になる

歯列矯正の痛みは、治療のタイミングによって種類や強さも変わります。多くの方が「どれくらい痛いのか」「いつまで我慢すればいいのか」という不安を抱えていますが、痛みのパターンや原因を知ることで心の準備ができるでしょう。

前提として、痛み自体は歯が整っていく過程で避けて通れないもの、かつ一時的なものであることを理解してもらえればと思います。

矯正装置を装着した時

矯正装置を取り付けると同時に、歯に新しい力がかかり始めるため、ズーンとした重い感覚や、歯が締め付けられるような違和感を覚える場合があります。

この痛みは装置を付けてから、早い方では数時間ほどで現れ始め、その後1週間ほどで落ち着くケースが多く見られます。

矯正装置を調整した時

治療の進行に合わせて、矯正装置に新しい力を加える調整を行います。この時、歯にかかる圧力が変化するため、再び痛みが現れることがあります。

調整を受けた当日は軽い違和感でも、翌日に痛みが強くなる場合もありますが、この痛みは2日~1週間ほどかけて治まっていくことが多いです。

また、治療が進むにつれて調整後の痛みは軽くなっていく傾向があります。これは歯が動くことに慣れてくるからです。

歯が動いている時

歯が少しずつ理想の位置へ移動していくと、自然な痛みが生じます。治療を始めたばかりの時期は、歯や歯茎が矯正力に慣れていないため痛みも強く現れがちです。

また、太いワイヤーを使用する段階では、より大きな力が歯にかかるため、中にはズキンとした痛みを経験する方もいるでしょう。

この痛みは「歯が正しく動いている証」でもあるため、治療が順調に進んでいることを示す重要なサインです。そう捉えてみることで、痛みへの印象が変わる方も多いです。

口の中で装置が当たった時

矯正装置は精密に作られていますが、どうしても舌などに触れてしまいます。装置を付けて最初の1週間ほどは、口の中がまだ慣れていないため、ヒリヒリとした刺激や小さな傷ができることがあります

人によっては口内炎ができたり、食事や会話の際に違和感を覚えることもありますが、これも時間が経つにつれて慣れていきます。

裏側矯正の場合は、舌に装置が触れることで、正しい舌の位置や悪い動きの癖に気づくことができます。そのため、より美しい口元の仕上がりに繋がるメリットがあります。

食べ物を咀嚼した時

矯正治療中は、普段何気なく食べている物でも咀嚼時に痛みを伴うことがあります。例えば、せんべいやナッツ類、シャキシャキしたリンゴなどの硬い食べ物を噛んだ時です。

装着・調整を受けた直後の数日間は、歯が敏感になっているため、普段より柔らかい食事を心がけることで痛みを軽減させることが出来ます。

歯磨きをする時

歯磨きの際にブラシが矯正装置に引っかかったり、歯茎に当たって痛みを覚えることがあります。

特に調整後などは、いつもと同じ力で磨くと痛みを招きやすくなります。また、装置の形状により、ブラシが思わぬ角度で歯茎を刺激しないように弱い力で振動させるように磨きましょう。

以上、歯列矯正で痛いと感じる6つのタイミングと原因について詳しく解説しました。どの痛みも治療には欠かせないプロセスであり、理想の歯並びへの重要な段階と捉えてみて下さい。

歯列矯正の痛みを和らげる5つの対処法

歯列矯正の痛みを和らげる対処法

歯列矯正で痛いと感じる時期は避けて通れませんが、適切な対処法を実践することで不快感を軽くできます。ここでは、効果的な5つの方法をご紹介します。

これらの対処法を活用することで、痛みと上手に付き合いながら矯正期間を過ごしましょう。

食べ物や調理法を工夫する

最も身近な方法は、食べ物の選択と調理法を工夫することです。痛みがある時期には栄養バランスを保つことも大切です。歯や口に優しい食事を心がけましょう。

【おすすめの食べ物&ポイント】

分類具体例ポイント
主食うどん、パスタ、雑炊、
そうめん、食パン(耳なし)
白米や麺類は
普段よりやわらかく
タンパク質豆腐、卵、ひき肉、
魚のほぐし身
噛む力をあまり
必要としない
野菜かぼちゃ、人参、大根、
じゃがいも、ほうれん草
蒸して・煮て
柔らかくする
果物バナナ、桃、メロン、
いちご、ぶどう、キウイ
そのままでも
柔らかい食べ物
乳製品などヨーグルト、チーズ、
ゼリー
口当たりが
なめらか

さらに、食べやすくする工夫として、小さく切って噛みやすくしたり、ミキサーでペースト状にすると噛む力を最小限に抑えることができます。また、少し冷たい物を選ぶことで痛みの感覚を和らげる効果も期待できるでしょう。

このように、工夫次第で美味しく栄養のある食事を楽しめます。特に痛みが気になる場合は、離乳食のような感覚で柔らかい食事を心がけてみて下さい。

※注意点:堅い食べ物や粘着性の高いお餅やキャラメルなどは、矯正装置がはずれたり変形する恐れから控えるようにしましょう。

痛い箇所を冷やす

冷やすことは、即効性のある対処法の1つです。冷却効果により血流が一時的に抑えられ、痛みの感覚を鈍らせることができます。

【効果的な冷やし方】

  • 冷たい水で複数回うがいをする
  • 氷水を口に含んで患部を冷やす
  • 冷たいジェルパッドを使用する
  • 保冷剤をタオルで包んで当てる

ただし、長時間の冷却は歯や歯茎に負担をかけるため、適度な時間に留めることが大切です。冷却により不快感が生じた場合は、すぐに中止するようにしてください。

痛み止めを服用する

痛み止めも有効な対処法です。ただし、具体的な薬の選択については、まず担当の歯科医師に相談することをおすすめします。

どうしても我慢できない場合は服用をおすすめしますが、痛みは歯が動いている証拠でもあるため、適度な痛みは受け入れることも重要な心構えです。

専用ワックスを使用する

矯正装置が口の中に当たって痛いときは、専用のワックスが効果的です。このワックスは装置の角を丸くカバーし、口の中での刺激を軽減してくれます。

使用方法は製品によって若干異なりますが、食事の際には必ず取り外し、食後は歯磨きをしてから新しいワックスを用意しましょう。使用済みのワックスは衛生面から再利用せず、毎回新しいものを使うことが大事です。

矯正歯科で調整する

痛みが長期間続く場合や、日常生活に支障をきたすほどの痛みの場合は早めの受診をおすすめします。

以上の5つの対処法を組み合わせながら、歯列矯正での痛い時期を上手に乗り切りましょう。

ワイヤーとマウスピース矯正どちらが痛い?

ワイヤーとマウスピース矯正の痛みの特徴

歯列矯正を検討する際、「どの方法が最も痛いのか?痛くないのか?」を調べる方も多いと聞きます。

主な選択肢となるワイヤー矯正とマウスピース矯正では、確かに痛みの種類や強さに違いがありますが、個人差もあるため、単純にどちらが痛いかを判断するのは困難です。ここでは参考に、それぞれの矯正方法における痛みの特徴を解説します。

各矯正方法の痛みについて

  • 表側矯正の場合
    表側矯正では、ブラケットとワイヤーが唇や頬の内側に当たって摩擦による痛みが生じることが多いです。装置は目立ちますが、治療中であることが見た目で明らかなため、痛みや食事制限などで周囲の理解を得やすい面もあります。
  • 裏側矯正の場合
    裏側矯正では、装置が舌に触れることで初期に痛みや違和感を覚える方が多いです。歯の移動に伴う痛みは表側矯正と同程度ですが、一度慣れてしまえば、人前で口を開けても装置が見えないため、周囲の目を気にせずに治療を進められます。
  • マウスピース矯正の場合
    マウスピース矯正は、歯にかける力が段階的で穏やかなため、強い痛みは起こりにくい傾向があります。新しいマウスピースに交換した際の圧迫感や、取り外しの違和感はありますが、ワイヤー矯正と比べると軽微と感じる方が多いです。

痛みとの付き合い方を理解する

歯列矯正は症例や方法により1年半~3年ほどを要しますが、長い人生から見れば短い期間です。この期間をどのように過ごすかが、その後何十年もの口元の美しさに影響します。

痛みを避けることを優先して治療方法を選択すると、満足のいく仕上がりを得られない場合もあります。「痛みがなく楽だから」という理由で選んだ結果、治療後に「もう少し綺麗にしたかった…」と後悔される方も少なくありません。

実際に、痛みが軽い、または感じない状況は、必ずしも良いことではありません。適度な痛みは歯がしっかりと動いている表れであり、それがない場合は移動が十分に行われていない可能性もあります。

痛みがないから治療効果がないわけではありませんが、ある程度の痛みは必要な過程と考えることも大切です。

理想の歯並びを目指すために

私が専門としている裏側矯正をされた患者さんからは「最初は痛みが心配だったけど、すぐに慣れて気にならなくなった」という感想をいただくことが多いです。初期の舌への違和感はありますが、多くの方が治療全体を通して満足されています。

歯列矯正の成功ポイントは、目先の快適さよりも将来に渡るあなたの姿をイメージしながら「理想の歯並びを手に入れること」を優先して治療方法を選ぶことです。

25年間以上、多くの患者さんを診てきた私は、このことを心から強く実感しています。

まとめ:痛みと上手に付き合う歯列矯正

歯列矯正の痛みと上手に付き合う

今回詳しく解説したように、歯列矯正には痛みが伴いますが、それは決して乗り越えられないものではありません。痛みの「なぜ?」を正しく理解し、適切に対処することで、多くの方が治療期間を無事に乗り切っています。

この時の大切な心構えをおさらいすると、

  • 痛みは歯が動いている証として前向きに捉える
  • 一時的な不快感よりも将来の美しさを重視する

これらが挙げられます。

確かに、歯列矯正は楽ではありません。初めての装着や調整後の一定期間は食事に気を遣ったり、慣れるまで時間がかかったりするでしょう。ただ、この時に「なぜ治療を始めようと思ったのか」という初心を忘れないことです。

鏡を見るたびに気になっていた歯並び、写真を撮る時に口元を隠してしまう癖、自信を持って笑えない悩み…これらすべてが解決した時の喜びは、治療中の痛みを大きく上回るものです。

現代の歯列矯正は進歩しており、以前と比べて痛みを軽減する技術や方法も向上しています。だから安心して、あなたの理想の歯並びを目指して下さい。この記事が、治療への第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

執筆・編集:竹田 彰

大宮の裏側矯正専門セレーノ矯正歯科の院長、竹田です。25年以上にわたって裏側矯正を専門に治療してきました。歯並びを整えることはもちろんですが、それ以上に、顔全体のバランスを美しく保ちながら、自然な笑顔を引き出すことを信念にしています。

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大宮の裏側矯正専門セレーノ矯正歯科は、口ごぼ、出っ歯、すきっ歯など歯並びでお悩みの方のための目立たない歯列矯正を行っています。歯並びや噛み合わせだけではなく、健康的で美しい笑顔を目指しています。すべての調整はキャリア25年以上の院長が担当しますので、ご安心ください。歯を見せて思い切り笑顔になれる人生を選択しませんか?