「装着時間ってどのくらいかかる?」
「仕事と通院の両立ができるかな?」
裏側矯正を検討する際、多くの方が装着にかかる時間について不安を感じています。仕事を持つ20~30代の方にとって、スケジュール調整は大きな悩みの種ですよね。
中には「長い時間、口を開けっぱなしが不安…」と、施術中の負担を気にされる方も多いでしょう。
私は埼玉県で裏側矯正を専門とするセレーノ矯正歯科の院長です。この記事では、初回装着と定期調整それぞれの所要時間について、現場の視点から具体的にお伝えしていきます。
具体的な数字がわからないと、予定も立てにくいと思います。装着時間への疑問をクリアにして、無理なく続けられる治療をイメージしてみてください。
も く じ
Toggle裏側矯正の装着時間は初回と調整日で違う?

結論からお伝えすると、初回の装着時には60分~90分程度、定期調整では30分~60分程度の時間がおおよその目安となります。
初回は歯の裏側にブラケットという小さな装置を1つ1つ丁寧に接着し、そこにワイヤーを通していく処置が必要です。一方で定期調整は、すでに装着されている装置のワイヤー交換や調整が中心になるため、比較的短時間で済みます。
また、裏側矯正は歯の内側で施術するため難易度が高く、表側矯正と比べてやや時間がかかることがあります。なお、これはドクターの技術や経験にもよります。
※具体的な所要時間については、歯科医院や症例によって異なりますので、事前にご確認ください。
初回装着時は慎重な処置が必要になる
歯の裏側は表側と違って凹凸が大きく、もちろん1本1本の形状も異なります。そのため、ブラケットを正確な位置に接着するには、慎重な処置が欠かせません。
当院では、この装着精度が治療結果を左右すると考えているため、時間をかけて丁寧に進めています。
また、接着剤がしっかり固まるまで待つ時間も必要です。焦って次の工程に進むと、後々装置が外れやすくなる場合があります。
装着当日はどのくらい時間を確保すべき?
実際の装着時間は60分~90分程度が目安ですが、それだけの確保では足りないかもしれません。もう少し柔軟なスケジュールを組むことで、焦らず治療に臨めます。
【装着前30分】心の準備と余裕を持った移動
初めての矯正治療は緊張するものです。余裕を持って到着することで、トイレを済ませたり、問診票の確認をしたり、深呼吸してリラックスする時間が取れます。
遅刻による焦りは治療中の緊張を増幅させるため、交通渋滞なども考えて早めに家を出ましょう。待合室で落ち着く時間があり、リラックスした状態で受診される患者さんは、治療を行いやすくなります。
【装着中60分~90分】実際の装着時間
歯の裏側という見えにくい場所で、1本ずつ慎重にブラケットを接着していく裏側矯正には、表側よりも繊細な技術が求められます。
この施術中は診察台に座ったままの状態が続きます。当院ではベテランドクターが処置しますので、手際が良く感じるでしょう。
また、舌などの間違った癖を改善する訓練を指導していますが、しっかり練習された方は処置中も口を開けているのが「意外と大丈夫だな」と感じられる傾向があります。
【装着後1~2時間】違和感への順応時間
装着直後は舌に装置が当たって違和感を感じやすいです。話しづらさや口の中の異物感、唾液の飲み込みにくさを感じることがあります。
この時間に嚥下訓練をしたり、柔らかい食事を取ったり、自宅でゆっくり口の中の新しい感覚に慣れることが大切です。必要な方は痛み止めを飲んでもかまいませんが、指示した訓練をしっかり行った方で、痛み止めを使用する人は極めて少数です。
このように初回装着の際は、処置時間だけでなく、前後の時間にも余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。やはり十分な時間の確保が安心につながります。
可能であれば、初回装着日は仕事を休むことを検討してみてください。「装着で休むなんて大げさでは?」と感じるかもしれませんが、多くの方が「休んでおいて良かった」と振り返っています。
どうしても1日の休みが難しい場合は、
- デスクワーク中心の日を選ぶ
- 午後休を取って午前中に装着
- 金曜午後に装着して週末で慣れる
など、自分の体を最優先に考えて、無理のないスケジュールを組んでみてください。当院であれば、土曜日も診療しています。
定期調整は比較的スムーズに終わる
矯正治療では、歯を少しずつ動かしながら理想の位置へ導いていきます。そのため、定期的に装置を調整する必要があります。
定期調整では、すでに装着中のブラケットはそのまま残り、ワイヤーを外して新しく付け替えたり、歯の動きに合わせて調整します。このため初回と比べると施術工程がぐっと少なくなり、30分~60分程度で終わることが多いです。
ただし、歯の動き具合によってはワイヤーの調整に時間がかかったり、追加の処置が必要になるため、余裕をもっておきましょう。治療期間中は、一般的に1~2カ月に1回のペースで通院していただくことになります。
なお、治療の進行状況は患者さんの協力度によっても影響を受けます。
たとえば、舌癖の改善、食事制限の遵守、丁寧なケアの実践など、指示された生活習慣を守っている方は、歯が計画通りに動きやすいです。結果として治療全体がスムーズに進み、痛みや違和感も減り、仕上がりもはるかに美しくなります。
以上、裏側矯正における初回の装着時間、ならびに定期調整との時間の違いについても解説しました。しっかりと時間を確保しておけば、落ち着いて治療に臨めるはずです。
裏側矯正の初回装着の具体的な流れと各工程のポイント

改めて、初回の裏側矯正装置の装着には、60分~90分程度の時間が必要です。初回装着では、一般的にどのような工程があるのか順を追って見ていきましょう。
①【歯の表面をきれいに磨く】
まず、ブラケットがきれいに接着できるように、歯の裏側の汚れや歯垢を丁寧に取り除きます。この段階で歯をしっかり磨き上げることが、接着剤と歯の表面の密着性を高め、装置の安定につながります。
歯の裏側は凹凸があって磨きにくいため、専用の器具を使って慎重に進めていきます。
②【歯の表面を乾燥させる】
水分が残っているとブラケットがうまく接着できないため、エアーで十分に乾かします。この工程を怠ると、後々装置が外れやすくなってしまいます。
唾液が入らないよう、専用器具で歯を保護しながら乾燥させます。乾燥した状態を保つことが、安定した装着を維持するポイントです。
③【ブラケットを1つ1つ歯に接着する】
ここが最も集中力を要する工程です。接着位置のわずかなズレが治療結果に影響するため、1つ1つ丁寧に確認しながら進めていきます。
歯の裏側は形状が複雑で、前歯と奥歯では角度も異なります。そのため、それぞれの歯に合わせて適切な位置を見極めながら、慎重に接着していきます。
④【接着剤を光で固める】
特殊な光を当てることで、接着剤を硬化させます。じわっと温かく感じることがありますが、痛みはほとんどありません。
光を当てる時間は10〜20秒程度で、ブラケット1つ1つに対して行います。しっかり固まったことを確認してから、次の工程に進みます。
➄【ワイヤーを通して固定する】
ブラケットにワイヤーを通し、細いゴムや針金で固定します。この段階で初めて、歯を動かす力がかかり始めます。
ワイヤーは最初、比較的柔らかいものを使用することが多く、徐々に硬いワイヤーに交換していきます。固定する際に少し引っ張られるような感覚がありますが、これは歯が動き始めるサインです。
⑥【装着後の注意事項を説明する】
食事の際の注意点や、痛みが出たときの対処法などをお伝えします。硬いものや粘着性のある食べ物は装置が外れる原因になるため、どのようなメニューを避けるべきか具体的に説明します。
また、歯磨きの方法や、装置周りのケアについてもお伝えしています。
※装着工程は医院や症例、治療計画などによって異なります。
長い時間、口を開けっぱなしが不安な方へ
でも、安心してください。実際の装着では、接着剤が固まるのを待つ時間や、次の工程に移る前の確認タイミングなど、自然と小休憩が入ります。
また、当院では施術中の口の開け方の訓練を、時間をかけてあらかじめ指導しています。指示通りの訓練をしていると、舌やのどの筋肉が正しく使えるようになってくるため、口を開けているのが大変ではなくなってきます。
実は口を開け続けるのが苦手な方は、のどの筋肉が弱っていることが多いのです。全ての診療を院長が行っているからこそ見つけられたのですが、この訓練には、仕上がりを美しくし、治療期間を短縮し、違和感や痛みを減らす効果があります。
さらに、院長が全ての処置を行うことで、口を開けている時間も短縮できるメリットがあります。スタッフによる処置よりも手際よく行えるためです。
装着後の痛みや違和感はどのくらい続く?
矯正装置を付けた直後は、舌に装置が当たって話しにくかったり、歯が押されるような鈍い痛みを感じることがあります。
早い方では痛みが数時間ほどで現れ始め、その後1週間ほどで徐々に落ち着いていきます。違和感については、個人差がありますが、1~2週間程度で慣れてくる方が多い傾向です。
最初は「こんなに違和感があるのか…」と驚く方もおられますが、人間の順応力は素晴らしいもので、「日を追うごとに慣れていった」という声をよく聞きます。
ただし、この慣れるスピードは患者さんの意識にも左右されます。装置を「異物」として意識しすぎると、いつまでも気になって仕方がありません。
反対に、「これで歯並びがきれいになる!」と前向きに捉えられる方は、比較的早く慣れる印象があります。また、舌の訓練などを徹底すると、違和感や舌の痛みを大幅に軽減できます。
装置をつけた後や調整後にどのような痛みがあるのか、いつまで続くのか、そして痛みを軽減する方法について詳しく知りたい方には、下記の記事が参考になります。
以上、裏側矯正の初回装着の具体的な流れと各工程のポイントなどを解説しました。
まとめ:装着時間を理解して準備を整えよう

この記事を通じて、裏側矯正の装着時間と定期調整の時間も合わせて、ご理解いただけたのではないでしょうか。
おさらいすると、初回装着には60分~90分程度、定期調整には30分~60分程度の時間が必要です。
ただし、これはあくまで診察台での処置時間であり、装着後の違和感への順応や移動時間も含めて、当日は予定を詰め込まず、ゆとりを持って臨むことが大切になります。
無理のない通院スケジュールを立てよう
矯正治療は、短期間で終わるものではありません。1年半~3年程度という長い期間をかけて、少しずつ理想的な歯並びを目指していくものです。
だからこそ、通院スケジュールを事前にしっかり把握し、仕事や私生活との両立を考えながら計画的に進めることも重要です。
途中で通院できなくなったり、予約をキャンセルし続けたりすると、治療期間が延びるだけでなく、せっかく動き始めた歯が元に戻るリスクもあります。
私が多くの患者さんを診てきた中で実感しているのは、時間的な見通しを持って臨む方ほど、ストレスなく治療を進められるということです。「いつ・どのくらいの時間が必要なのか」を理解しておくだけで、心の余裕が生まれるはずです。
治療期間には個人差がありますが、目安や期間を左右する要因を事前に知っておくことで、より計画的に進めることができます。詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
予定の調整をスムーズにするための準備を
裏側矯正をスタートさせる前に、職場や家族と共有しておくと良いポイントがあります。
- 初回の装着日は半日程度の時間を確保しておきたいこと
- 1~2カ月に1回程度、午前や昼間、夕方に通院が必要になること
- 治療期間中は調整のために定期的な通院を優先させたいこと
上司や同僚へ事前に伝えておくと、予約日の調整もしやすくなるでしょう。
当院では院長がすべての装置調整を担当
裏側矯正の魅力の1つは、装置が歯の裏側にあるため、治療中であることを周囲に気づかれにくい点にあります。営業職や接客業など人と接する機会が多い方でも、口元をほとんど気にせず、自然な表情で過ごしやすいでしょう。
そして当院では、治療の質を最優先に考え、院長である私がすべての患者さんを責任もって担当しています。25年以上の経験をもとに綿密な治療計画を立て、装着から毎回の調整も院長自身が行うため、一貫性のある治療を安心してお受けいただけます。
矯正治療を始めるかどうかは、簡単には決められない選択かもしれません。しかし、その一歩を踏み出したとき、私たちは全力であなたの治療をサポートいたします。
当院「セレーノ矯正歯科」での初診から装置の装着、そして治療完了までの具体的なステップを知りたい方には、下記の記事が参考になります。
この記事が、あなたの裏側矯正への理解を深める一助になれば嬉しく思います。装着時間への不安を解消し、自信をもって理想の歯並びを目指していきましょう。



