「インビザラインって何年かかるの?」
「本当に計画通りに治療が進むのかな?」
こうした疑問や不安を抱えながら、インビザライン矯正を始めるべきか迷っている方は少なくありません。目立ちにくい矯正として人気が高い一方で、実際の治療期間や毎日の装着管理について、具体的なイメージが湧きにくいといった声もよく聞きます。
そんな中、ネットで調べても漠然とした情報ばかり。自分の症例なら何年かかるのか、途中で期間が延びることはないのか…、知りたいのはもっと具体的な情報ですよね。
私は25年以上にわたって歯科医師として矯正治療に携わり、現在はさいたま市大宮で裏側矯正を専門とする「セレーノ矯正歯科」の院長を務めています。
この記事では、インビザライン矯正の現実的な期間、治療が長引く具体的な原因、そして期間への不安を解消する別の選択肢まで、長年の経験をもとに率直にお伝えしていきます。
あなたが納得できる矯正方法を選び、理想の歯並びを手に入れるためのヒントになれば嬉しく思います。
も く じ
Toggleインビザライン矯正の期間はどのくらい?平均は?

インビザライン矯正にかかる期間は、一般的に「1年半~3年程度」が目安です(全体矯正の場合)。
この数字だけ見ても幅があるため、実際の治療期間は、もちろん歯並びの状態などによって大きく変わります。
あなたはどのタイプ?症状別の期間目安
インビザライン矯正の期間は、歯並びの乱れ具合で次のように分かれます。
| 症例の程度 | 期間の目安 | 主な症状の例 |
|---|---|---|
| 軽度 | 1年半程度 | 前歯のわずかなすきっ歯、軽いガタつき(2~3mm程度)、後戻りの再矯正 |
| 中度 | 1年半~2年半 | 全体的な歯のガタつき、軽度の出っ歯や受け口、奥歯のかみ合わせのずれ |
| 重度 | 2年半~3年以上 | ※左記の期間に関わらず、適応が難しい症例もよく見られる |
重度の叢生(歯の重なりが激しい)や上顎前突(出っ歯が目立つ)などの症例では、インビザラインでは適応が困難なことも多く、骨格的な問題がある場合は外科的治療の併用を勧めるケースもあります。
※治療期間は歯並びの状態や患者さんの協力度などによって個人差があります。また、適応範囲の基準は歯科医院により異なります。
ワイヤー矯正と比べて期間は変わるのか
「インビザラインはワイヤー矯正より時間がかかる?」といった疑問を持つ方も多いですが、治療期間は症例の難易度や治療の適用範囲によって異なり、一概にどちらが早いとは言い切れません。
前提として、ワイヤー矯正でもインビザラインでも、骨の中で歯が移動する生理学的なスピードは変わりません。ただし、インビザラインはワイヤー矯正以上に、患者さん自身の管理が治療の進み具合を大きく左右します。
ワイヤー矯正は24時間装置が固定されていますが、インビザラインは取り外しができる分、装着時間の十分な管理が求められるのです。
指定された装着時間(1日20~22時間が目安)を守れば、治療計画通りに進みやすいですが、逆に怠れば、予定より大幅に期間が延びるケースがよく見られます。
以上、インビザライン矯正の平均的な治療期間と、症状別の目安について解説しました。この機会に、歯並び別の治療の可能性についても詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になります。
インビザライン治療の期間が長引く原因4つとは?

インビザラインの治療期間は、患者さん自身の日々の行動によって大きく変わります。同じ治療計画でスタートしても、ある人は予定通り2年で終わり、別の人は3年かかる…、そんな差が生まれることも珍しくありません。
それでは、期間が延びる主な4つの原因をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
アライナーの装着時間が1日20時間を下回る
インビザラインで期間延長に大きくつながりやすいのが、装着時間の不足です。1日20~22時間の装着が推奨されており、食事と歯磨き以外は基本的にずっと装着している必要があります。
たとえば、仕事での接客中に外したまま長時間過ごしたり、食後に装着を忘れて数時間経過するなどの管理不足があると、歯が元の位置に戻ろうとする力が働きやすくなります。結果として、治療期間がどんどん延びていくのです。
【装着時間と治療への影響】
- 20~22時間:計画通り進みやすい
- 18~20時間:やや遅れが出やすい
- 15~18時間:大幅な遅れが生じやすい
- 15時間未満:治療が進まないことが多い
※おおよその目安です。
また、アライナーは、歯科医師の指示のもと「通常1~2週間ごと」に新しいものへ交換していきます。この交換タイミングも自己判断でずらしてしまうと、治療計画全体がくるってしまいます。
くれぐれも歯の動き方には個人差があり、予測と実際の動きにズレが生じることがあります。ズレが生じた場合、「リファインメント(再調整)」といって、改めて型取りをして新しいアライナーを作製する必要があります。
このとき、新しいアライナーが届くまでには1〜2カ月程度かかることも珍しくありません。特に複雑な症例では、このリファインメントが複数回必要になるケースもよく見られます。
※アライナーとは、インビザライン治療で使用する透明なマウスピース型の矯正装置のことです。
定期的な通院をスキップしている
「自宅で装着するだけだから通院は少なくて済む」と思われがちですが、インビザラインでも1~2カ月に1回程度の定期通院は必要です。通院では治療の進行状況をチェックし、必要に応じて微調整を行います。
たとえば、歯の表面に付けるアタッチメント(小さな突起)が外れたまま放置すると、歯が計画通りに動かなくなる可能性があります。
忙しいからと通院を先延ばしにしていると、問題が見逃されたまま時間だけが過ぎていきます。結果的に、気づいたときには大幅な軌道修正が必要になり、治療期間の延長につながるのです。
インビザラインのアタッチメントの役割や起こりうるトラブルを事前に知っておきたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
顎間ゴムの使用を指示通りに行っていない
かみ合わせの調整が必要な場合、「顎間ゴム(エラスティック)」という小さな輪ゴムのような補助具を使用することがあります。これは上下の顎の位置関係を調整する重要なものです。
アライナーだけでは歯並びは整っても、上下のかみ合わせまでは調整できないケースも多いです。そこで顎間ゴムを使い、かみ合わせの改善を図ります。
ところが、見た目が気になったり面倒だったりして、指示通りに使わない方も少なくありません。そうするとかみ合わせが改善せず、治療期間が延びる大きな原因になってしまいます。
インビザラインにおけるゴムかけの必要性や目立ち具合、自己管理について詳しく知りたい方には、下記の記事が参考になります。
虫歯や歯周病の治療が途中で必要になった
インビザラインに限らず、矯正治療中に虫歯や歯周病が発覚した場合、その治療を優先する必要があります。矯正は口腔内が健康な状態で行うことが望ましいからです。
虫歯や歯周病の治療中は、矯正治療を一時中断するケースが多いです。その期間が数週間~数カ月に及ぶこともあり、当然ながら矯正の完了時期も後ろ倒しになります。
インビザラインはアライナーを外して歯磨きができるため、口腔ケアはしやすい環境ではあります。ただし、指導されたブラッシングやケアを怠ったり、アライナーの清掃などが不十分な場合は虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。
以上、インビザライン治療の期間が長引く4つの原因について解説しました。
インビザラインで期間が延びやすい症例に「裏側矯正」

ここまで読んで、矯正方法の選択に不安を感じた方もいるのではないでしょうか?
改めて、インビザラインは患者さんの装着管理に大きく依存する治療法です。自己管理が苦手な方や、複雑な症例の場合、予定よりも期間が延びるリスクを頭に入れておく必要があります。
そうした不安を抱える方に知ってほしいのが「裏側矯正(リンガル矯正)」という選択肢です。
裏側矯正は、歯の裏側に矯正装置(ブラケットとワイヤー)を装着して歯並びを整える治療法です。表側に装置がないため、口を開けて笑ってもほとんど見えることがありません。
裏側矯正とインビザラインを比較すると
インビザラインと裏側矯正を、治療の観点から比較してみましょう。
| 項目 | 裏側矯正 | インビザライン |
|---|---|---|
| 推奨範囲 | ◎ 軽度~重度 | ○ 軽度~中度 |
| 期間 | ○ 1年半~3年 | ○ 1年半~3年 |
| 見た目 | ◎ 裏側でほぼ見えない | ○ 透明で気づかれにくい |
| 装置の特徴 | ○ 固定式 ※装着忘れのリスクなし | ○ 取り外し可能 ※装着忘れのリスクあり |
| 自己管理 | ○ 不要 ※清潔なケアは必要 | △ 必要 ※1日20~22時間装着 |
※一般的な目安で、推奨範囲は歯科医院によって異なります。
裏側矯正は装置を歯の裏側にしっかりと固定するため、24時間休むことなく継続的に力がかかり続けます。マウスピースのように、「装着時間が足りなかった」「うっかり外したまま寝てしまった」といった心配は一切ありません。
また、複雑な症例で進める場合、インビザラインでは複数回のリファインメントが生じる可能性もありますが、裏側矯正では、通院時にその場で細かい調整がしやすいことも特徴の1つです。
私は25年以上にわたって様々な症例を扱ってきましたが、裏側矯正の仕上がりを鏡で確認して喜ぶ患者さんの笑顔を、数え切れないほど見てきました。
固定式だからこそ得られる3つのメリット
裏側矯正が「期間」の面で注目されるメリットは以下の3つです。
- 装置が固定式のため、装着時間の管理が不要で患者さんの負担が少ない
- 患者さんが装着以外の取り組み(悪癖の改善など)に集中しやすく、計画通りに進みやすい
- 複雑かつ重度の症例でも細かい調整がしやすく、対応可能な範囲が広い
たとえば、仕事が忙しい、外出が多いなどで、アライナーの管理に自信がない方でも安心して治療を受けられるでしょう。
私の経験上、どの矯正方法でも治療の成功には患者さんの協力が欠かせませんが、固定式の裏側矯正なら時間管理という負担をなくして、良好な結果を目指すことができます。
どちらを選ぶ?あなたの優先順位で決める
裏側矯正もインビザラインも、どちらも「目立ちにくい矯正」として優れた治療法です。大切なのは、あなたが何を優先するかです。
【裏側矯正が向いている人】
- できるだけ計画通りに治療を進めたい
- 日常の自己管理の負担を減らしたい
- 複雑な症例でもしっかり治したい
- 仕事や外出が多く、装着時間の管理が難しい
【インビザラインが向いている人】
- 食事などの際に装置を外したい
- 自己管理には自信がある
- 軽度~中度の歯並びを改善したい
- 装着時間(1日20~22時間)を確実に守れる
最終的にどちらを選ぶかは、あなたのライフスタイルや症例、優先事項によって決まります。それぞれのメリット・デメリットを詳しく比較検討したい方には、下記の記事が参考になります。
まとめ:治療期間に不安があるなら裏側矯正も視野に

この記事を通して、インビザラインの治療期間について理解が深まったでしょうか。同時に「自分にできるかな…」という不安も湧いてきたかもしれませんね。
インビザライン矯正の期間は、全体矯正の場合で「1年半~3年程度」ですが、装着時間の管理や通院頻度、症例の複雑さによって、実際の期間は大きく変わります。
治療期間を左右する「あなた自身の行動」
インビザラインで治療をスムーズに進めるには、次の5つを守り続ける必要があります。
- 1日20~22時間の装着を毎日欠かさない
- 1~2週間ごとのアライナー交換を確実に行う
- 1~2カ月に1回の定期通院を先延ばしにしない
- 顎間ゴムの使用指示がある場合は必ず守る
- 虫歯や歯周病にならないよう丁寧なケアを続ける
※実際の治療では、必ず歯科医師の指示に従ってください。
これらをしっかりと実践できる方なら、計画通りの治療が進みやすいでしょう。
ただ、正直に言うと、これらすべてを守り続けるのは簡単ではありません。仕事の飲み会で外したまま帰宅してしまったり、疲れて装着せず寝てしまったり…、人間ですからそんな日もあります。
「装着管理の負担」から自由になれる選択肢
私は25年以上、歯科医師として矯正治療に携わってきました。その中で実感しているのは、治療方法を選ぶ際に大切なのは、1年半~3年の期間の中で「自分が無理なく続けられるか」という視点です。
マウスピースの装着管理に不安を感じるなら、固定式かつ目立ちにくい「裏側矯正」という道があります。裏側矯正について情報を集めたい方は、下記カテゴリに関連記事をまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
あなたにとっての「適切な選択肢」を見つける
インビザラインも裏側矯正も、どちらも目立ちにくい矯正として優れていますが、その選択の際に「ゴールまでの数年間をどう過ごすか」が見落とされがちです。あなたの治療中の生活の質に直結しますので、時間を取って一度冷静に考えてみてください。
「本当にこれが自分に合っているのだろうか?」
その気づきこそが、あなたに適した矯正方法に出会うための第一歩です。
治療法の選択に万人の正解はありません。だからこそ、あなた自身が納得し「これなら続けられる!」と思って始めることが、理想の歯並びを目指す上でとても重要になります。
当院では、主に20代・30代の方の治療を進めていますが、この年代では仕事もプライベートも充実させたい大切な時期です。治療にストレスを感じながら過ごすのではなく、自分らしく前向きに過ごせる方法をぜひ選んでください。
最後になりますが、裏側矯正専門の当院「セレーノ矯正歯科」では、あなたのライフスタイルや将来のビジョンにも寄り添いながら、より良い治療計画をご提案いたします。
矯正治療は、我慢するものではなく「自分らしさを保ちながら進めるもの」です。あなたの毎日が笑顔で満たされるよう、私たちが全力でサポートさせていただきます。



