「八重歯は可愛いっていうけど、自分では笑顔に自信が持てない…」
「口も閉じにくいし、口の中を傷つけてしまうことがある…」
八重歯（ガタガタ歯）は可愛らしい特徴として捉えられる一方で、歯並びの乱れや噛み合わせの不調、歯磨きの難しさなど、見た目以外の問題を引き起こすこともあります。また、一般的なイメージと異なり、笑顔に自信が持てない方が意外と多いものです。
そんな方におすすめしたいのが「裏側矯正」です。矯正装置を歯の裏側に装着することで、治療中も装置が見える心配がなく、自然な笑顔を保ちながら治療を進められるのが特徴です。実際に多くの患者さんが「矯正中であることを周囲に気付かれずに治療ができた」「気軽に人前で笑える」と、その魅力を実感しています。
私自身、25年以上にわたり矯正歯科医として数多くの患者さんの治療に携わってきました。その中で、八重歯の治療に裏側矯正を選ばれた患者さんの多くが、治療後の仕上がりに大変満足され、治療中もその利便性に助けられたとおっしゃいます。
この記事では、八重歯がもたらす問題点や、裏側矯正で歯列矯正をするメリット、さらに当院での実際の患者さんの事例を交えながら、八重歯治療の可能性について詳しく解説していきます。八重歯を治して自然な笑顔を手に入れたい方、そして矯正中の見た目に不安を感じている方にとって、役立つ内容だと思いますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
▼お急ぎの方は動画に概要をまとめましたのでご覧ください▼
八重歯とは？その特徴と問題点
八重歯、あるいはガタガタ歯と呼ばれるものは、他の歯よりも外側に飛び出して生えた犬歯のことを指します。日本では、八重歯は「かわいらしい」として過去には好意的に捉えられた時代もありましたが、情報化時代の現代では治療前後の写真をみて八重歯を矯正した方がより美しいことは一目瞭然になりました。ちなみに欧米では八重歯は「ドラキュラティース」として忌み嫌われます。また、矯正歯科医としては、それ以上に、さまざまな問題を引き起こす可能性がある歯並びの乱れと言わざるをえません。
八重歯、ガタガタ歯になってしまう３つの原因
では、どうして八重歯、ガタガタ歯のような乱れが生じるのでしょう。主に以下３つの原因が考えられます。
- 歯の生えるスペース不足
八重歯ができる最も一般的な原因は、歯が生えるためのスペースが足りないこと。顎のサイズが小さい場合、犬歯が正しい位置に収まらず、外側に押し出されるように生えてしまいます。 - 遺伝の影響
顎の大きさや歯の大きさには遺伝的な要素があり、これらが八重歯の原因となります。 - 幼少期の習慣
指しゃぶりや舌で歯を押す癖（舌突出癖）など、幼少期の習慣が顎の成長に影響を与え、八重歯が形成されることがあります。幼少期の食事習慣、例えば、柔らかい食品ばかりを摂取することで顎の発育が妨げられることがあります。また、お口周りの癖や筋肉の発達不足による顎の発育不足が起こることもあります。
八重歯、ガタガタ歯がもたらす「良くない影響」
私が矯正歯科医として、注意を促したいのは、見た目のコンプレックス以上に以下の３つです。
- 噛み合わせの問題
八重歯があると、上下の歯が正しく噛み合わないケースが多くなります。すると、食事中に食べ物をうまく噛み切れなかったり、顎関節に負担がかかることがあります。こうした噛み合わせの問題は、心身の不調や頭痛、肩こり、腰痛に繋がることもあります。 - 清掃の難しさと虫歯リスク
八重歯は他の歯と重なり合っていることが多いため、歯ブラシが届きにくく、かなりの確率で、歯磨きが十分に行えません。そのため、かなり丹念にケアしないと、虫歯や歯周病のリスクが高まる傾向があります。 - 口腔内のトラブル
飛び出した八重歯が舌や唇に当たり、口内炎や傷を引き起こすことがあります。口の中の炎症は、治りにくく、細菌が入り込むと健康トラブルに発展しかねません。また、発音に影響を及ぼすケースも多くあります。
もちろん、見た目のコンプレックスも患者さんにとっては重大な関心ごとだと理解しています。口を見せて思いっきり笑える自己肯定感は、生涯に渡りプラスに働くであろうことは疑いようがありません。
八重歯に悩む患者さんの声とその背景
私は25年以上、矯正歯科医として日々、治療を行っていますが、八重歯でお悩みの患者さんをカウンセリングをすると、こんな言葉をいただきます。
「八重歯がチャームポイントと言われても、写真に写る自分の笑顔が気になって仕方ない」
「歯磨きをしても八重歯の裏がきれいに磨けているか不安」
「食事中にうまく噛めないせいで、食べるのに時間がかかる」
「よく口の中を切ってしまう」
八重歯は一見して大きな問題に見えないかもしれませんが、見た目だけでなく機能性や清掃性の問題が原因で、矯正治療を決断される方が多いことを付け加えておきましょう。
八重歯の治療法としての裏側矯正
八重歯の治療にはさまざまな選択肢がありますが、その中でも「裏側矯正」は特に注目される方法のひとつです。ここでは、裏側矯正の基本的な仕組みや特徴を解説するとともに、八重歯治療において裏側矯正がなぜ効果的なのかをご紹介します。
裏側矯正とは？その基本的な仕組みと特徴
裏側矯正は、歯の裏側に矯正装置を装着して歯を整える治療法です。表側に装置を付ける一般的な矯正とは異なり、見た目に矯正装置がほとんどわからないため、「目立たない矯正」として20～30代女性から高い人気を誇っています。
ポイントをまとめると…
- 見た目を気にせず治療できる
矯正装置が歯の裏側に隠れるため、矯正していることを周囲に気付かれたくない方に最適です。特に営業職や接客業など、対人関係を重視する職業の方にとって大きなメリットがあります。 - 歯列全体を包括的に治療
裏側矯正は、矯正後の姿をイメージしながら治療できるので、歯列全体をバランスよく整えることが可能です。八重歯だけでなく、噛み合わせや他の歯並びの問題も同時に改善できます。 - 高いカスタマイズ性
裏側矯正では、患者さん一人ひとりの歯並びに合わせて装置をオーダーメイドで作成します。そのため、八重歯、ひどいガタガタ歯のように複雑な歯並びでも対応可能です。
ひとことでいえば、最も審美性の高い治療法といえるでしょう。より詳しく裏側矯正の利点について知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
表側矯正やマウスピース矯正との違い
歯列矯正を考えるときに、よく比較される矯正法とはどう違うのか、簡単にご紹介しておきますね。
表側矯正との違い
表側矯正は、歯の表側に装置を装着する方法で、治療効果は高いですが装置が目立つため、見た目を気にする方には不向きです。一方、裏側矯正は装置が見えない位置に装着されるため、治療中も笑顔や表情に自信を持つことができます。
マウスピース矯正との違い
マウスピース矯正（インビザラインなど）は透明なマウスピースを装着して歯を移動させる方法です。取り外しが可能で便利ですが、八重歯のような複雑な歯並びの場合、治療計画が難しくなることがあります。一方、裏側矯正は矯正歯科医の高度な技術とオーダーメイドの装置により、複雑な症例にも対応できます。
裏側矯正で八重歯を治療した患者さんの実例
八重歯を矯正しようか悩んでいる方の参考になると思いますので、ここで当院（埼玉大宮のセレーノ矯正歯科）の患者さんの実例をご紹介します。
患者さんの悩みと治療の背景
20代女性の患者さんが、上下前歯の八重歯と上顎（じょうがく）前歯の前突に悩んで来院されました。口元の突出感が強く、横顔のバランスにもコンプレックスを抱えていたとのことです。また、歯並びの乱れ（そうせい）が原因で清掃が行き届きにくく、将来の歯周病リスクも心配されていました。
セレーノ矯正歯科での裏側矯正治療の概要
カウンセリングと診断の結果、叢生（そうせい）と上顎前突という不正咬合が確認されました。患者さんの骨格、状態にカスタマイズして、裏側矯正装置を使用し、2年半程度での改善を目指しました。治療計画には以下の施策が含まれています。
- 抜歯部位:
上顎両側第一小臼歯、右下第二小臼歯、左下中切歯（歯根の状態が悪いため抜歯）。 - 治療技術:
裏側矯正装置に加え、アンカースクリューを併用し、歯を圧下させることで下顎の自然な前方移動（カウンタークロックワイズローテーション、オートローテーション）を促進しました。 - 舌のトレーニング:
治療中には舌の位置や動きを改善するためのトレーニングと咀嚼指導を行い、美しい口元を目指したトレーニングも併用しました。
裏側矯正治療の成果
実際の写真がこちらです。
セレーノ矯正歯科院長の竹田よりポイント解説
- 上下前歯の八重歯が整い、歯列全体が自然で美しいアーチ状に改善。
- 前歯を後退させることで、口元の突出感が緩和され、横顔のバランスが整う。
- 下顎が前方に移動したことにより、顎のラインがシャープになり、フェイスラインがすっきりとした印象に。
- 咀嚼や発音の改善も見られ、日常生活においても快適さが向上。
患者さんの声
「治療前は、笑顔を見せることが恥ずかしくて自信が持てませんでした。でも、治療が進むにつれて、歯並びだけでなく顔全体のバランスが整っていくのを感じ、とても嬉しかったです。裏側矯正のおかげで治療中も目立たず、仕事やプライベートに支障が出なかったのもありがたかったです。」
治療費用と期間
- 治療期間: 2年6ヶ月
- 費用: 裏側矯正費用125万円+税
裏側矯正は、目立たない治療とともに、美しさと機能を両立できる優れた選択肢です。この患者さんのように、八重歯や口元の悩みを抱えている方も、適切な治療計画とサポートによって理想の笑顔を手に入れることが可能です。
裏側矯正による八重歯治療の流れ
八重歯の治療を考えている方にとって、裏側矯正がどのように進行するのかをイメージすることは大切です。患者さんごとに異なるので、必ずしも適合するわけではありませんが、八重歯治療のプロセスを簡単に解説しておきますね。
八重歯の裏側矯正治療のステップ
- カウンセリングと診断
裏側矯正は、患者さんの個々の状態に合わせた治療計画が鍵となります。初回カウンセリングでは、八重歯の原因や歯列全体の状況を確認し、精密検査を行います。歯型の採取、顔貌写真やレントゲン撮影、口腔内診査、問診、習癖診査を通じて、治療のゴールを明確にします。 - 診断・治療計画説明
精密検査の診断結果と治療の進め方について医師よりご説明します。また、お支払い方法についてご選択いただきます。 - 装置の設計と製作、および抜歯
裏側矯正用の装置は完全オーダーメイドで作成されます。患者さん一人ひとりの歯列にぴったりとフィットする装置を作ることで、効率的で快適な治療が可能になります。また、適切な抜歯を行います。 - 装置の装着
矯正装置を歯の裏側に装着します。この段階では、初めての違和感を感じることが多いですが、多くの方が数日で慣れると回答しています。 - 定期的な調整とトレーニング
歯の移動状況に応じて、数週間ごとに調整を行います。八重歯の場合、歯のスペースを確保しながら正しい位置に動かしていくため、緻密な調整が必要です。この間、装置がついていても、仕上がりイメージに近い自然な口元でお過ごしいただけます。また、悪い舌の癖があると歯が戻ってしまったり、治療が長引くことがあるので、適切なトレーニングをしていただきます。 - 治療の完了
八重歯の治療は、平均的には2年～3年で終了します。
八重歯の裏側矯正に関するよくある質問
矯正治療に際しては、いろいろと不安な点も多いでしょう。以下に、患者さんからよくいただく質問を紹介しますね。
治療期間はどれくらいかかりますか？
八重歯の裏側矯正にかかる治療期間は、通常2年から3年程度です。ただし、患者さんの歯並びの状態や治療計画によって異なります。軽度の八重歯の場合、1年半ほどで治療が完了することもありますが、複雑な叢生や抜歯が必要な場合は3年以上かかるケースもあります。矯正歯科医とのカウンセリングで、具体的な治療期間を確認することが大切です。
裏側矯正は痛みが強いですか？
矯正治療に伴う痛みの感じ方は個人差がありますが、裏側矯正は特に最初の数日間、装置が舌に当たる違和感や軽い痛みを感じる方が多いです。また、歯の移動が始まると、圧迫感を伴う痛みが出ることもあります。ただし、以下の対策で痛みを軽減することが可能です。
- 装置の調整、トレーニング:
装置の脱落などで不快感がある場合、矯正歯科医が装置を調整することもできますが、多くの場合、舌の癖が原因ですので、トレーニングをすることで解消できます。 - 時間が解決:
装置の感覚に慣れるまでに1～2週間程度かかりますが、多くの患者さんが徐々に違和感を感じなくなります。裏側矯正だと舌で歯を押す癖が軽減するためです。
日常生活や仕事への影響はありますか？
裏側矯正は、矯正器具が歯の裏側に設置されるため、治療中も外見にはほとんど影響がありません。そのため、接客業や営業職など人と接する機会が多い方でも安心して治療を進めることができます。ただし、以下の点には注意が必要です。
- 発音への影響:
治療開始直後は、装置が舌に触れることで「サ行」や「タ行」の発音が不明瞭になることがあります。ただし、舌の訓練を徹底すると数日から数週間でほとんどの方が解消します。 - 食事:
装置に食べ物が詰まりやすいため、食後の歯磨きが必須です。また、堅い食べ物はお控え下さい。 - 舌への違和感:
初期には舌が装置に当たりやすくなるため、違和感や軽い傷ができることがあります。これも数週間で改善されることがほとんどです。
まとめ：八重歯の悩みを裏側矯正で解決し、自然な笑顔を手に入れましょう
八重歯はその独特な見た目から「チャームポイント」とも捉えられますが、実際には見た目のコンプレックスや機能的な問題を引き起こすことが少なくありません。噛み合わせの悪さ、清掃性の低下、口腔内トラブルなど、放置することで健康面にも影響を及ぼす可能性があるため、早めの治療が大切です。
その中で注目されるのが「裏側矯正」。装置が目立たないため、矯正中も自然な笑顔を保ちながら治療を進められる点が大きな魅力です。また、八重歯のように複雑な歯並びにも対応でき、歯列全体を美しく整えることができます。さらに、矯正中に舌のトレーニングや咀嚼指導を併用することで、治療後の仕上がりだけでなく、口腔機能の向上も期待できます。
矯正治療は患者さん一人ひとりの状態に合わせて計画されるため、具体的な治療期間や方法については、矯正歯科医とのカウンセリングが欠かせません。もし八重歯や歯並びにお悩みの方は、裏側矯正という選択肢をぜひ検討してみてください。治療後には、美しい笑顔だけでなく、より健康的な生活を手に入れることができるはずです。
「目立たずに治療したい」「笑顔にもっと自信を持ちたい」そんな願いを叶える裏側矯正で、あなたの歯並びと生活を変える一歩を踏み出しましょう。
