「矯正を考えているけど、親知らずは抜いたほうがいいの?」
「親知らずがあると矯正がうまくいかないの?」
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
実際、矯正治療と親知らずの関係は、多くの患者さんが悩むポイントの一つです。親知らずを抜かずに矯正を進めた人の中には「矯正後に親知らずの影響で歯並びが乱れた」「せっかくの矯正が台無しになった」と後悔するケースもあります。
一方で「親知らずを抜かずに矯正しても問題なかった」「痛みがないなら抜かなくても大丈夫だった」という声もあるため、一概に「抜いたほうがいい」とは言い切れません。
では、どんな場合に親知らずを抜いたほうがいいのか?逆に、抜かなくても問題ないケースはあるのか?
私は、歯列矯正に携わり25年。裏側矯正専門ドクターとして数多くの患者さんの矯正治療を担当してきましたが、親知らずの扱いは、治療計画を立てる上で非常に重要なポイントになります。実際、矯正歯科医の間でも「親知らずは必ず抜くべきなのか?」という議論は続いており、患者さん一人ひとりの状況によって判断が変わるのが現実です。
そこで本記事では、矯正治療前に親知らずを抜くべきかどうかの判断基準を、私の専門的な視点から詳しく解説します。親知らずが歯列矯正する際に与える影響から、抜くべきかどうかまで、これから矯正治療をお考えの方が後悔しないためのポイントをお伝えしていきます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
も く じ
Toggle親知らずとは?まずは基本を知ろう

親知らず(智歯)とは、永久歯の中で最後に生えてくる歯です。多くの場合、10代後半から20代前半にかけて生えてくることが多く、「第三大臼歯」とも呼ばれています。上下左右の奥歯の一番奥に生えてくるため、目視では確認しづらいこともあります。
親知らずの生え方には個人差がある
親知らずの生え方は、人によってさまざまです。
- 正常にまっすぐ生える
→ 問題がなければ、そのまま残しておくことも可能 - 斜めに生える
→ 隣の歯(第二大臼歯)を圧迫し、歯並びや噛み合わせに影響を与えることがある - 完全に埋まっている(埋伏歯)
→ 骨の中に埋まっていて、トラブルがなければ抜歯不要の場合もある
また、親知らずがまったく生えてこない人もいます。 これは、親知らずの歯胚(歯のもととなる組織)がもともと存在しないためです。最近では、親知らずが生えてこない人の割合が増えているとも言われています。
親知らずは必ず抜くべき?
すべての親知らずが抜歯の対象になるわけではありません。正常に生えていて、噛み合わせに問題がなく、虫歯や炎症を引き起こさなければ、そのまま残しておくこともできます。
しかし、親知らずが斜めに生えていたり、埋伏していたりする場合は、矯正治療に影響を与える可能性があるため、抜歯を検討する必要があります。
矯正治療前に親知らずを抜くべきか?その判断基準

親知らずが矯正治療に与える影響は、生え方や位置、歯列への影響によって異なります。そのため、必ず抜かなければならないわけではありませんが、抜歯が推奨されるケースもあります。ここでは、親知らずを抜くべきケースと、抜かなくてもよいケースについて詳しく解説していきます。
親知らずの抜歯が推奨されるケース
以下のような場合は、矯正治療前に親知らずを抜いたほうがよいと考えられます。
親知らずが斜めに生えていて、歯列を押す力がある
親知らずが斜めに生えていると、隣の歯(第二大臼歯)を押す力がかかり、歯並びが崩れる原因になります。特に、すでに歯並びが乱れている場合は、矯正治療の効果を妨げる可能性があるため、抜歯を検討すべきです。
親知らずが埋伏していて、将来的にトラブルの原因になりそう
親知らずが完全に埋まっている(埋伏歯)場合でも、今後炎症を起こしたり、歯列に悪影響を及ぼす可能性があるなら、矯正前に抜くのが無難です。特に、レントゲンやCTで確認した際に、歯列を圧迫するリスクがあると診断された場合は、抜歯を検討するべきでしょう。
虫歯・歯周病のリスクが高い
親知らずは一番奥にあるため、歯磨きが難しく、虫歯や歯周病になりやすい部位です。矯正治療中は装置の影響でさらにケアが難しくなるため、すでにトラブルがある場合は、治療前に抜歯を検討した方がよいでしょう。
矯正後の歯並びが後戻りしやすい
矯正後に親知らずが残っていると、親知らずの圧力で歯が後戻りするリスクが高まります。特に、前歯のスペースがもともと少ない人は、親知らずの力によって歯列が乱れる可能性があるため、事前に抜歯を検討したほうがよいでしょう。
親知らずを抜かなくてもいいケース
すべての親知らずが抜歯の対象になるわけではありません。以下のようなケースでは、親知らずを残すことが可能な場合もあります。
親知らずがまっすぐ生えていて、周囲の歯に影響がない
親知らずが正常に生え、隣の歯や歯列に悪影響を及ぼしていない場合は、抜く必要はありません。噛み合わせにも影響がない場合、そのまま経過観察をしながら、矯正治療を進めることも可能です。
矯正計画に影響を与えない(奥歯の移動を伴わないケース)
矯正治療の計画によっては、親知らずが直接影響しないケースもあります。たとえば、前歯の歯並びを整える治療で、奥歯の移動が必要ない場合は、親知らずを抜かなくても問題にならないことがあります。
歯の支えとして利用できる場合(親知らずを残して矯正するケース)
親知らずを活用して歯列を整える治療計画もあります。たとえば、第一大臼歯(6番目の歯)を失っている場合、親知らずを移動させて歯の支えとして利用するケースもあるため、必ずしも抜歯するとは限りません。
親知らずを抜かずに矯正するとどうなるのか

親知らずがある状態で矯正を進めた場合、どのような影響があるのでしょうか?
結論から言うと、親知らずを抜かずに矯正することで、問題が発生するケースもあれば、特に影響を受けずに矯正が成功するケースもあります。ここでは、親知らずを抜かずに矯正した場合に考えられるリスクと、抜かずに成功したケースについてお伝えしますね。
矯正後の後戻りリスク
「親知らずがあると、矯正後に歯並びが後戻りする」とよく言われますが、これは本当でしょうか?
結論として、親知らずの圧力が歯並びに影響を与え、特に前歯の歯並びが乱れることは確かにあります。特に以下のような人は、親知らずによる影響を受けやすいです。
もともと奥歯のスペースが狭い人
→ 親知らずの力で歯が押されると、歯が重なりやすくなる。
矯正中のドクターの指導を守れない人
→ 適切なトレーニングをせず、悪癖を直す意思がないと親知らずの圧力が影響してずれが生じることがある。
親知らずが斜めに生えている人
→ すでに歯列に影響を与えている場合は、矯正後の後戻りリスクが高くなる。
ただし、最近の研究では、親知らずの有無だけが後戻りの原因ではないとも言われています。むしろ、舌の位置や筋肉のバランス、トレーニングや、悪癖の改善、保定装置の使用状況のほうが、歯並びに影響を与える要因として大きいと考えられています。
歯列矯正で最良の結果を得るには、日々の習慣により改善できる、舌の動かし方やトレーニングなど、患者さん自身の協力が不可欠なのです。
噛み合わせの問題
親知らずが矯正後の噛み合わせに悪影響を与えることもあります。
親知らずの影響で奥歯の噛み合わせがズレることがある
→ 特に片方の親知らずが残っている場合、上下の噛み合わせのバランスが崩れ、噛みづらくなることがあります。
親知らずの生え方によっては、矯正した歯並びに影響を与えることがある
→ 例えば、親知らずが半分埋まっている状態(半埋伏歯)だと、隣の歯を押してしまい、歯列の安定が難しくなることがあります。
虫歯・炎症リスク
矯正後に親知らずがトラブルを起こすケースもあります。
親知らずが奥にあるため、歯磨きがしにくい
→ 矯正後、きれいな歯並びになっても、親知らずが原因で虫歯や歯周病になりやすくなることがあります。
炎症を起こしやすい(智歯周囲炎)
→ 親知らずが部分的に埋まっていると、汚れが溜まりやすく、歯ぐきが腫れて痛みが出ることがある(智歯周囲炎)。
特に、矯正後に噛み合わせが整った状態で親知らずの問題が起こると、再治療が必要になる可能性があるため、事前に抜歯を検討することが望ましい場合もあります。
抜かずに矯正した成功例もある(個々のケースによる)
すべてのケースで親知らずを抜く必要があるわけではなく、親知らずを残したまま矯正しても問題が起こらなかったケースもあります。
親知らずがまっすぐ生えている場合
→ 他の歯に影響を与えなければ、矯正後も問題なく残せる。
奥歯の移動が必要ない場合
→ 親知らずの影響を受けにくい治療計画なら、抜かずに矯正できることも。
親知らずを歯の支えとして活用するケース
→ 第一大臼歯(6番)が欠損している場合、親知らずを移動させて噛み合わせを改善することも可能。
親知らずがとなりの臼歯を押す力を利用したい場合
→ 上下の奥歯の前後的なバランスを整える際、親知らずを残しておいて、親知らずの力を利用する方が有利になる場合があります。
人の歯並びは千差万別で、親知らずについても同様のことがいえます。そうなると、やはり、実績があり技術のある矯正歯科医を頼るのがベスト。親知らずの生え方に不安のある方は、実績のあるドクターのカウンセリングを受けることをお勧めします。
矯正治療中・矯正後に親知らずを抜くケースもある

矯正治療前に「親知らずは抜かなくても大丈夫」と判断されるケースでも、治療の途中や矯正が終わった後に、やはり抜歯が必要になる場合があります。各ドクターの判断にもよりますので、ここでは私自身の見解というより、一般的なケースの場合、という前提でお伝えしますが、矯正治療中に親知らずが噛み合わせや歯並びに悪影響を与えたときの対応についてお伝えしておきます。
ちなみに、当院では、計画段階で親知らずの対処を決めるので、途中で親知らずを抜歯するケースは大変少ないです。
矯正治療中に親知らずを抜くケース
まずは、矯正治療中に親知らずを抜く必要があるケースについて、お話しましょう。
歯の動きに影響を与えてしまう場合
矯正治療を進める中で、親知らずの影響で歯の移動が妨げられることがあります。たとえば、奥歯を後ろに移動させる計画だったのに、親知らずがスペースを塞いでしまい、計画通りに動かない場合、途中で抜歯を検討することになります。
痛みや炎症が発生した場合
矯正装置がついている間は、口の中の清掃が難しくなるため、親知らず周囲の歯ぐき(智歯周囲炎)が炎症を起こすことがあります。その結果、親知らずの抜歯を余儀なくされるケースがあります。
噛み合わせのバランスが崩れてきた場合
舌のトレーニングなどが不足したり、口をしっかり開けないなど治療をやり難くすると、つまり患者協力が不足すると、治療計画通りにすすまなくなり、噛み合わせのバランスは崩れます。その際には親知らずの抜歯など治療計画の変更が必要となります。
矯正後に親知らずを抜くケース
次に、矯正治療後に、親知らずを抜かないといけなくなるケースについて、お伝えしますね。
矯正後に歯並びの後戻りが起きそうな場合
矯正が完了しても、親知らずが生えてくることで前歯が押され、歯並びが乱れてくる可能性があります。この場合、矯正後に抜歯をすることで、後戻りを防ぐことができます。
親知らずが噛み合わせに悪影響を与えている場合
矯正治療によって歯並びが整った後、親知らずが噛み合わせのバランスを崩してしまうことがあります。この場合、抜歯をすることで、噛み合わせを安定させることができます。
親知らずが虫歯や歯周病の原因になっている場合
矯正後に親知らずが原因で虫歯や歯ぐきの炎症が発生すると、せっかく整えた歯並びにも悪影響を与える可能性があります。治療後の長期的な歯の健康を考え、親知らずを抜く選択をすることもあります。
親知らずの抜歯のタイミングと注意点

親知らずの抜歯は、矯正治療を円滑に進めるために重要なステップになることがあります。しかし、「矯正前に抜くべきなのか?」「治療中や治療後でも問題ないのか?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
本来、この判断は、各患者さんの年齢、症例、骨格、歯並び、状態により変わりますので、ドクターが最適解を出すべきです。ただ、本サイトの記事を読んで頂いている方はとても熱心な方が多いようです。
そこで、ここでは、親知らずの抜歯のベストなタイミングや、抜歯後の回復期間、矯正治療への影響について私の見解をお伝えしておきたいと思います。
抜歯のベストタイミングは?(矯正開始前/矯正中/矯正後)
親知らずの抜歯を検討する際、いつ抜くのが最適か? というのは、矯正計画や歯の状態によって異なります。それぞれのタイミングについて解説します。
矯正開始前に抜歯するケース
矯正治療前に親知らずを抜くのが一般的です。理由としては、以下のようなメリットがあるからです。
- 歯列のスペースを確保できる
→ 抜歯後のスペースを利用して歯を適切に動かせる - 矯正後の後戻りを防げる
→ 親知らずが後から生えてくることで、歯並びが乱れるリスクを回避 - 炎症リスクを減らせる
→ 矯正中は歯磨きが難しくなり、親知らず周辺で炎症(智歯周囲炎)が起こりやすいため、事前に除去するのが安心
タイミングとしては、矯正開始の数ヶ月〜直前に抜歯するのが理想です。抜歯後の治癒している期間は歯の動きが良くなります。
矯正治療中に抜歯するケース
矯正前に抜かなくても、治療の途中で抜歯が必要になることもあります。
- 歯の動きを妨げている場合
→ 矯正中に歯の移動をスムーズにするために抜歯 - 炎症や痛みが発生した場合
→ 矯正中に親知らずが腫れて痛みが出たら、抜歯を検討
追加の抜歯が必要なくなるように、トレーニングやケアを欠かさないでいただければと思います。
矯正治療後に抜歯するケース
矯正が完了した後に、親知らずが噛み合わせに影響を与える・歯並びを押して後戻りを引き起こす 可能性がある場合、矯正後に抜歯をすることがあります。
- 親知らずが生えたことで噛み合わせがズレた
矯正後に抜歯する際の注意点としては、矯正装着時間を長くするなど、後戻りを防ぐための対策が必要になるかもしれません。
抜歯後の回復期間と矯正への影響(抜歯後すぐに矯正できるのか?)
親知らずの抜歯後、どのくらいの期間で矯正治療を開始・再開できるのかは、抜歯の難易度 によって異なります。
比較的簡単な抜歯(まっすぐ生えている場合)
- 2〜3日程度で痛みが落ち着く
- 1〜2週間で傷口がふさがる
- 矯正治療は数日後から開始可能
埋伏(埋まっている)親知らずの抜歯
- 1週間程度は痛みや腫れが続くことがある
- 完全に治癒するまで約1か月かかることも
- 矯正治療は1〜4週間後に開始可能(腫れや痛みが落ち着いてから)
抜歯後の腫れや痛みが強い間は、ワイヤーの調整が難しくなることもあるため、治療スケジュールを少し調整する必要がある場合があります。
抜歯の痛みやダウンタイムについて(どれくらい腫れる?食事は?)
補足情報として、患者さんによく聞かれるので、抜歯後の痛みやダウンタイムについて、お伝えしておきますね。
抜歯の痛みはどのくらい続くのか
親知らずの抜歯後の痛みは、個人差がありますが、1〜3日目がピークになることが多いです。通常、歯科医はロキソニンなどの痛み止めを処方しますので、痛みが強い場合は、薬を使ってください。(ロキソニンは常用してはいけません!)
なお、親知らずがまっすぐ生えている場合、痛みは軽度で、痛み止めを飲めばコントロールできることが多く、あまり心配はいりません。ただ、親知らずが横向き・埋伏している場合は、腫れが大きくなることがあり、1週間ほど違和感が残るケースもあります。
抜歯後、顔はどれくらい腫れるのか
親知らずは、奥に位置するため骨格に影響与える可能性があります。そのため、抜歯後、やや頬が腫れたように見えたり、あごの下が膨らんでしまうこともあります。
まっすぐに生えた通常の抜歯なら、ほとんど腫れませんし、腫れても、ごく軽度なものですが、埋伏歯の抜歯で骨を削る場合、2〜3日目にかけて頬が腫れ、完全に引くまで1週間程度かかるケースもめずらしくありません。
抜歯後の食事や注意すべき点について
抜歯後の腫れを抑えるためには、すぐにアイスパックで冷やし、寝るときは枕を高めにして血流を抑えることが大切です。また、アルコールや辛いもの、熱い食べ物は血流を促進し、腫れが長引く原因になるため避けましょう。
食事についても注意が必要で、抜歯直後は傷口に負担をかけないよう、冷たいスープやヨーグルト、柔らかいおかゆや豆腐などを選ぶと良いでしょう。反対に、硬いものやナッツ類は傷口を刺激する恐れがあり、辛い食べ物や熱すぎる料理、炭酸飲料やアルコールも治癒を妨げるため控えるのが賢明です。
まとめ:歯列矯正における親知らず

あまり語られることはありませんが、歯列矯正を成功させるためには親知らずを抜くべきかどうかの判断も大事なポイント になります。ただし、「矯正前に必ず抜くべき!」というわけではなく、抜いた方が良いケースと、抜かなくても問題ないケースがあることを理解しておいてください。
それぞれを簡潔にまとめると以下の通りです。
矯正前に親知らずを抜いた方がよいケース
- 親知らずが斜めや横向きに生えており、他の歯を押してしまう
- 埋伏(埋まっている)していて、将来的にトラブルのリスクがある
- 虫歯や歯周病のリスクが高く、矯正中のケアが難しくなる可能性がある
- 矯正後の後戻りの原因になりやすい
親知らずを抜かなくてもよいケース
- まっすぐ生えていて、歯並びに悪影響を与えない
- 矯正計画に影響しない(奥歯の移動がない場合)
- 親知らずを活かして矯正する(移動させて噛み合わせに利用する)
- 親知らずがとなりの臼歯を押す力を利用したい場合
矯正治療を始める前に、親知らずの状態をしっかりチェックし、各症例に合った対応を選ぶべきです。そのためには、実績と経験、技術のある矯正歯科医のカウンセリングを受け、あなたの親知らずが矯正治療にどのような影響を及ぼすのか、判断を仰ぐことが重要になります。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。歯列矯正治療で後悔しないためには、事前の情報収集が不可欠です。ネットの情報だけに頼らず、実際に矯正歯科医の意見をしっかり聞き、自分の歯並びにとってベストな選択をしましょう。
あなたの矯正治療が成功し、理想の歯並びと最高の笑顔を手に入れられることを願っています!