「裏側矯正って目立たないし、良さそう!……でも、歯磨きが大変そうでちょっと心配」
そんな患者さんのお声を聞きました。
たしかに、裏側矯正は装置が歯の裏側につくため、見た目に影響を与えず、矯正治療を進められるのが大きなメリットです。一方で「歯磨きがしづらいのでは?」「食べカスが溜まりやすいってほんと?」と不安に思われる方もおられるようです。
私自身も、裏側矯正を専門に25年以上、矯正治療に携わる中で一部の患者さんから「裏側矯正中の歯磨き」についての相談を受けてきました。
✔ 「しっかり磨いているつもりなのに、歯ぐきが腫れてきた…」
✔ 「ワイヤーの隙間に食べカスが詰まって取れない!」
✔ 「矯正が終わったときに、虫歯になっていたらどうしよう…」
もしかしたらあなたも、こうした心配をお持ちかもしれません。でも安心してください。適切な歯ブラシで、正しくケアをすれば、まったく問題ありません。むしろ、矯正前より意識が高くなり、虫歯になりづらくなった患者さんがいるくらいです。
この記事では、歯列矯正専門ドクターとして25年以上の経験を持つ私、竹田が「矯正中でも健康的な歯を維持する歯磨きテクニック」のコツを具体的なアイテム選びから、磨き方のポイントまで徹底解説します。
裏側矯正に限らず「矯正を検討しているけど、歯磨きって大丈夫かな…」「矯正中だけど、ちゃんと磨けているか不安…」と心配な方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
も く じ
Toggle裏側矯正中に必要な歯磨きアイテム

歯列矯正中の歯磨きでもっとも重要なのは「適切なアイテムを使うこと」。
適切でない歯ブラシを使用すると装置の裏側やワイヤーの隙間に届きにくく、磨き残しができやすいことがあります。矯正中の専用ケア用品もありますので、症例に合わせて上手に活用することが、虫歯や歯周病、歯肉炎を防ぐカギになります。
では、ここでは裏側矯正をはじめ、歯列矯正中に絶対に持っておきたい4つのアイテムについて、解説しますね。
矯正専用の歯ブラシ
裏側矯正では、ヘッドの大きい歯ブラシや一部の適切でない形状の歯ブラシだと装置のすき間や、奥まで届かないため、専用の歯ブラシを使用するのが絶対条件です。症例にもよりますが、共通して言えるのはヘッドが小さく、細かい部分を磨けるものを選ぶのがポイント。
矯正治療中に選ぶべき歯ブラシの特徴
矯正中の歯ブラシとして、適切な歯ブラシの特徴をまとめておきましょう。
ヘッドが小さいもの
歯の裏側は狭く、裏側矯正の装置があるとさらに磨きにくくなります。ヘッドの大きい歯ブラシでは奥まで届かないため、コンパクトなヘッドのものを選びましょう。
毛先が柔らかめのもの
硬すぎる毛先の歯ブラシを使うと、歯ぐきを傷つけたり、装置に引っかかってしまうことがあります。毛先が柔らかめのブラシを使うことで、歯ぐきを傷めず、細かい部分まで優しく磨くことができます。
ワンタフトブラシを活用する
ワンタフトブラシとは、通常の歯ブラシよりもヘッドが小さく、1本の束になっているブラシのこと。
特にワイヤーの周囲や装置の隙間、奥歯の裏側など、一般的なブラシでは届きにくい部分の清掃に最適です。
洗口液(マウスウォッシュ)
歯ブラシだけでは落としきれない細菌を洗い流すために、洗口液(マウスウォッシュ)も取り入れましょう。特に裏側矯正は装置が歯に密着しているため、注意深く清掃しておかないとプラーク(歯垢)が溜まりやすく、歯ぐきが腫れるリスクがあります。
マウスウォッシュの選び方
ドラックストアで購入する場合は、以下を参考にしてください。
ノンアルコールタイプを選ぶ
アルコール入りのものは刺激が強く、矯正中の敏感な口内にとっては負担になることがあります。低刺激で長時間使えるノンアルコールタイプを選びましょう。
殺菌効果のあるものを選ぶ
「歯周病予防」「プラーク除去」などの効果がある成分(CHG、CPCやIPMP)が入っているものを選ぶと、より効果的にお口の中を清潔に保てます。
矯正専用の洗口液も検討
矯正中は装置の影響で歯磨きがしづらいため、矯正治療中の人向けに作られた洗口液もおすすめです。

歯磨き粉
矯正治療中に限りませんが、虫歯や歯ぐきの炎症を防ぐために、歯磨き粉選びも重要です。安価であっても、あまり添加物が多い商品はおすすめできません。
歯磨き粉選びのポイント
矯正治療中の歯磨き粉について、下記を参考に選んでみてください。
フッ素配合で歯を強化する
矯正中は歯ブラシが難しく、歯の脱灰が起こりやすくなります。フッ素配合の歯磨き粉を使い、再石灰化を促進しましょう。
研磨剤が少ないものを選ぶ
研磨剤が多い歯磨き粉は、装置やワイヤーに傷をつける可能性があります。低研磨タイプか研磨剤フリー のものを選ぶのがベスト。
発泡剤が少ないものを選ぶ
泡立ちすぎる歯磨き粉は、口の中がすぐに泡だらけになり、細かい部分をしっかり磨く前に「磨いたつもり」になってしまうことがあります。裏側矯正中は特に、泡立ちが少なく、長時間丁寧に磨けるもの をおすすめします。
電動歯ブラシ
裏側矯正中の歯磨きでは、適切な電動歯ブラシを選ぶことで、より効率的に汚れを落とすことが可能です。ただし、すべての電動歯ブラシが矯正治療に適しているわけではありません。選び方を間違えるとかえって磨き残しが増えてしまうこともあるため、注意が必要です。
矯正治療中に選ぶべき電動歯ブラシの特徴
矯正中の歯磨きに適した電動歯ブラシを選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。
✔ 音波式を選ぶ
電動歯ブラシには、大きく分けて回転式・振動式(音波式・超音波式) の3種類があります。
- 回転式:
ブラシが円を描くように回転するタイプですが、裏側矯正のワイヤー周りには届きにくく、磨き残しが増える可能性があります。 - 音波式:
振動式の中でも音波式が最適です。音波の微振動によって汚れを浮かせながら落とすため、矯正装置の細かい部分まで磨くことができます。 - 超音波式:
音波式と間違いやすいですが、超音波式は汚れを落とす力が弱いため、音波式のものを選びましょう。
✔ ヘッドが小さいものを選ぶ
電動歯ブラシのヘッドが大きすぎると、裏側矯正の装置周りにうまく当てられず、磨き残しが発生しやすくなります。「コンパクトヘッド」「極小ヘッド」 などのタイプを選ぶことで、装置周りの細かい部分までしっかり磨くことができます。
✔ 毛先が細いものを選ぶ
矯正装置周辺の細かい部分や、歯ぐきの境目までしっかり磨けるよう、毛先が細く、柔らかめのもの を選びましょう。特に「歯周ポケット専用」「歯周病予防用」の替えブラシは、矯正治療中の清掃に適しています。
✔ ワンタフトブラシ対応のものを選ぶ
裏側矯正では、通常のブラシだけでは細かい部分が磨きにくいため、ワンタフトブラシ(先端が小さく、ピンポイントで磨けるタイプ)の替えブラシがあるものを選ぶとより効果的です。ワンタフトブラシを使えば、ワイヤーの隙間や装置周りの汚れも丁寧に落とすことができます。
裏側矯正中の正しい歯磨き方法

裏側矯正では、装置が歯の裏側に装着されるため、いつも通りの歯磨きでは磨き残しが出やすくなるといえます。特にブラケットやワイヤーの周りには汚れが溜まりやすく、適切にケアしないと虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。
前述したようにアイテム選びが重要ではありますが、正しい磨き方も劣らず重要になります。ほとんどのクリニックでは、歯科衛生士が指導してくれると思いますが、ここでは私の経験を交えて「裏側矯正中の正しい歯磨き方法」を詳しく解説します。
ブラケット・ワイヤー周りの磨き方
ブラケットやワイヤーの周囲は食べカスが溜まりやすいため、もっとも丁寧に磨くべきポイントだと心得てください。矯正器具をつける前と同じような歯ブラシの動かし方だけだと、多くの場合、汚れが残りやすくなります。
ブラケット・ワイヤー周りの磨き方ポイント
適切な歯ブラシを用意したら、以下のポイントを参考にして磨くようにしましょう。
- 歯ブラシを歯に対して45度の角度で当てる
→ 装置やワイヤーの上・下・側面、それぞれの角度から細かく動かしながら磨く。 - ワイヤーの下にワンタフトブラシを通して、汚れを取り除く
→ ワイヤーのすぐ下には食べカスが溜まりやすいので、ワンタフトブラシを優しく通す。 - ワンタフトブラシを使って、ブラケットの周囲をピンポイントで磨く
→ 通常の歯ブラシでは届かない部分も、ワンタフトブラシならしっかり清掃できる。 - ブラケットと歯肉の間を念入りに
→ 裏側矯正では表側矯正より虫歯リスクが少ないのですが、歯肉炎リスクは高くなる。よって、ブラケットと歯肉の間を時間をかけて念入りに磨くことが重要。
ブラケット・ワイヤー周りを磨く際の注意点
- 力を入れすぎない
→ 強くこすりすぎると、かえって汚れが落ちなくなり、装置を傷つけたり、歯ぐきを痛める原因になる。 - 毎回、ブラケットやワイヤーの上下・側面を忘れずに磨く
→ 1方向だけではなく、複数の角度から汚れを落とすことが大切。 - ブラケットと歯肉の間を念入りに
→ 裏側矯正では表側矯正より虫歯リスクが少ないのですが、歯肉炎リスクは高くなる。よって、ブラケットと歯肉の間を時間をかけて念入りに磨くことが重要。

前歯の裏側の磨き方
前歯の裏側は、装置が密着しているため意外と磨きにくい部分です。ヘッドの大きい歯ブラシでは隅々まで届かないため、ワンタフトブラシなどを活用して細かく磨くのがポイントになります。
前歯裏側の正しい磨き方
- ワンタフトブラシを使い、装置と歯の間をピンポイントで磨く
→ 1本ずつ丁寧に、小刻みに動かしながら磨く。 - 歯の裏側を一本ずつブラッシング
→ 歯ぐきのキワも意識しながら、根元の汚れを落とす。 - ブラケットと歯肉の間を念入りに
→ 裏側矯正で問題がでやすいのは、歯ブラシ不足による前歯部歯肉炎。ブラケットと歯肉の間を時間をかけて念入りに磨くことが重要。
前歯裏側を磨く際の注意点
- ワンタフトブラシを使うときは、力を入れすぎず、優しく磨く
- 前歯の裏側は舌が当たりやすく、食べカスが溜まりやすいので丁寧に磨く
- ブラケットと歯肉の間を念入りに磨く
奥歯の裏側の磨き方
奥歯は歯ブラシが届きにくいので、汚れが溜まりやすく、患者さんによっても磨き方の巧拙が出てしまう部分のひとつです。装置があることで、通常よりもさらに歯ブラシが届きにくくなるため、ヘッドが小さいブラシを使い、細かく動かしながら角度を変えて、なおかつ力を入れずに丁寧に磨きましょう。
奥歯裏側の磨き方ポイント
- ヘッドが小さい歯ブラシを使い、歯ぐきのキワも含めて磨く
→ 奥歯は歯ぐきの近くに汚れが溜まりやすいので、根元までしっかりブラッシング。 - 歯ブラシを斜めにして、装置の裏側までしっかり当てる
→ 斜め45度の角度でブラシを当てると、ワイヤーの奥まで磨きやすくなる。 - ワンタフトブラシで、歯の裏側の細かい部分を丁寧に磨く
→ 一般的な歯ブラシでは届かない部分も、ワンタフトブラシなら清掃できる。
奥歯裏側を磨く際の注意点
- 奥歯の装置周りは、食べカスが溜まりやすいので重点的に磨く
- 磨き残しが気になる場合は、デンタルミラーを使って仕上がりを確認するとよい
磨き残しを防ぐためのポイント

裏側矯正中は、装置が歯の裏側についているため、どうしても 「磨き残し」 が発生しやすくなります。
磨き残しが続くと虫歯や歯ぐきの炎症のリスクが高まり、最悪の場合、矯正治療の中断を余儀なくされることもあります。
私自身、25年以上、矯正治療に携わってきた経験から、たくさんの患者さんを見てきました。正しい磨き方に加え、磨き残しを防ぐためのポイントを知っているかどうかでも変わってきますので、ここでご紹介しておきますね。
歯磨きの時間は10分を確保する
一番よくないのは「とりあえず磨いたつもり」になってしまうこと。何分くらい歯磨きに時間をかけていますか?と聞くと「2分くらい」と答える患者さんがおられますが、それでは不十分です。
かなりの確率で、装置周りに細かい汚れが残ってしまっています。矯正治療中でなくても短いと思いますが、裏側矯正中は通常よりも歯磨きに時間をかける必要があります。
矯正治療中の理想的な歯磨き時間
- 工程を考えると、10分はかかる。時間をかけて磨くのが理想
- 1本ずつ意識しながら、さまざまな角度で、力を入れすぎずゆっくり丁寧に磨く
- 特にブラケットやワイヤー周りは時間をかけて徹底的に清掃する
一般的な歯磨きをするのに比べ、ワンタフトブラシの併用などを考慮すれば、5分でも終わりません。最低でも10分間はしっかり確保する習慣をつけましょう。
鏡を見ながら磨くと、磨き残しに気づきやすい
裏側矯正は見えにくい位置に装置がついているため、感覚だけで磨くことはおすすめできません。Youtubeを見ながら、とか、SNSをしながら、という方もいますが「ながら磨き」ですと、どれだけ時間をかけても、磨き方に偏りが出てしまい、適切に磨けていないことがあります。
磨き残しを防ぐには鏡を見ながらブラッシングするようにしましょう。
鏡を見ながら歯磨きをする際のポイント
- 手鏡や洗面所の鏡を使って、歯ブラシがしっかりと、歯の裏側や装置にあたっているか確認する
- ワイヤーの上下や装置の隙間に、汚れが残っていないかを目でもチェックする
- 奥歯の裏側は特に見えにくいので、デンタルミラーを使うのが理想
鏡を見ながら磨くことで、歯磨きに集中することができ、どこに汚れが残りやすいのかを把握しやすくなります。毎日の歯磨きを続けるうちに、自然と効率よくブラッシングできるようになるはずです。

歯科医院の定期クリーニングに頼らない
「矯正治療中は、定期的にクリーニングを受けるべき」と言われることもありますが、実は本当に重要なのは、日々のセルフケアです。歯科医院の定期クリーニングを2~3ヶ月に一度受けるだけでは、矯正中の口腔トラブルを防ぐには十分とは言えません。
たとえば、歯石は数日で形成され、歯肉炎はさらに短期間で進行します。つまり「定期的にクリーニングを受けているから大丈夫」と安心してしまうと、日々のケアがおろそかになり、気づいたときには炎症が進行している…ということも起こりえます。
もちろん、歯科医院でブラッシングの指導を受けたり、必要に応じて歯石を除去してもらうことは有効 です。しかし、最も大切なのは患者さん自身が適切なセルフケアを身につけ、毎日実践すること。これが矯正治療を成功させるための大前提となります。
当院では、治療開始時に丁寧なブラッシング指導を行い、毎回の診察で口腔内の汚れをチェックしながら、その都度アドバイスをしています。さらに、必要な方にはクリーニングを行い、しっかり磨けるようになってから治療を進める体制をとっているくらいなのです。
染め出し液を使って、磨き残しをチェックする
磨き残しが不安な方には「染め出し液(プラークチェッカー)」を使用するのもひとつかもしれません。ここまでお伝えしてきた適切なアイテムの選択と、正しい磨き方をすればほとんどのケースで問題ありませんが「しっかり磨いたつもりでも、汚れが残ってるのではないかと心配…」という患者さんには、この方法をおすすめすることがあります。
その場合、見るべきポイントとしては磨き残しが多くなりやすい、矯正装置のブラケット周りや奥歯の裏側。染め出し液(プラークチェッカー)を使うと、歯磨きの癖のようなものもわかるので、参考になるでしょう。
裏側矯正中の歯磨きでよくある質問(Q&A)

以下に、裏側矯正中の歯磨きについて患者さんから寄せられることの多い質問をまとめてみました。日々のケアをより効果的にするために、ぜひ参考にしてください。
Q1. 矯正中におすすめの歯磨き粉は?
A. フッ素配合で、研磨剤が少ないものを選びましょう。
裏側矯正中の歯は、装置の影響で汚れがつきやすく、虫歯のリスクが高まります。そのため、歯を強くするフッ素が配合された歯磨き粉を使うことをおすすめします。
▶ 裏側矯正中の歯磨き粉選びのポイント
- フッ素濃度が1,450ppm(成人向け推奨濃度)
- 研磨剤が少ない or 無配合(歯や装置を傷つけないため)
- 低発泡タイプ(泡立ちすぎると、しっかり磨いたつもりになってしまう)
- 殺菌・抗炎症成分配合(歯ぐきの炎症を防ぐ)
▶ 裏側矯正中は、こんな歯磨き粉は避ける
- 研磨力の強いもの(装置やエナメル質にダメージを与える)
- 発泡剤が多すぎるもの(泡で磨いた気になってしまい、磨き残しが出やすい)
フッ素配合の歯磨き粉を使うことで再石灰化を促し、虫歯の進行を防ぐ効果があります。矯正治療中は毎日の歯磨きがより重要になるため、適切な歯磨き粉を選びましょう。
Q2. ワイヤーに食べカスが詰まりやすいけど、どうすればいい?
A. ワンタフトブラシやウォーターピックを活用しましょう。
裏側矯正のワイヤーやブラケットには、食べカスが詰まりやすくなります。特に、繊維質の多い食材(ほうれん草、海藻、えのき、ごぼうなど)はワイヤーに絡まりやすいので注意が必要です。
▶ 食べかすが詰まりやすいときの効果的な対策
- ワンタフトブラシを使ってワイヤーの下を掃除する
- ワイヤーの下にそっと入れ、前後に動かして食べカスを取り除く。
- ウォーターピック(ジェット水流の歯間洗浄器)を活用する
- 歯ブラシやワンタフトブラシだけでは取り切れない汚れを、水圧で除去できる。
- 夜の歯磨き後に使うと、よりスッキリする。
- 食後すぐに口をゆすぐ
- すぐに歯磨きができない場合は、水やマウスウォッシュで軽くすすぐだけでも汚れが落ちやすくなる。
- 外出先では携帯用の歯ブラシを持ち歩くのもおすすめ。
ワイヤーの隙間に汚れが溜まると、虫歯や歯ぐきの炎症の原因になります。日々のケアを怠らず、細かい部分まで清掃することが大切です。
Q3. 磨いているつもりなのに、歯ぐきが腫れてしまう…
A. 磨き残しが原因の可能性大。
「毎日しっかり磨いているのに、歯ぐきが腫れる…」という悩みは、裏側矯正中の患者さんからよく聞かれます。多くの場合、その原因は磨き残しによる歯肉炎です。適切なアイテムを選んでいる場合、原因は磨き方にありますので、正しい歯の磨き方の指導を受けましょう。
▶ 歯ぐきが腫れる原因
- ブラケットやワイヤー周りに汚れが溜まっている
- 歯ぐきのキワがしっかり磨けていない
- 歯磨きの力が強すぎて、歯ぐきを傷つけている
- 歯ブラシを前後に動かしすぎている
▶ よくある解決策
① ワンタフトブラシで歯ぐきのキワを優しく磨く
歯ブラシだけでなく、ワンタフトブラシを使って装置周りや歯ぐきの境目を意識的にブラッシングする。
② 染め出し液で磨き残しをチェックする
磨けているつもりでも、実際には磨き残しがあることが多い。不安な人は、染め出し液(プラークチェッカー)を使い、自分の歯磨きの癖から、どこが磨けていないのか一目でわかるのでおすすめ。
③ 歯ブラシの時間を10分以上行う
とにかく時間をかけることが最重要です。技術的な側面ももちろんありますが、ほとんどの方は時間が不足しています。時間をかけ一本一本しっかり磨くようにしましょう。
まとめ:裏側矯正中の歯磨きは工夫次第で快適に!

裏側矯正中の歯磨きは、通常の歯磨きよりも少し手間がかかりますが、正しいアイテム選びとケア方法を知れば問題ありません。必要以上に心配しなくても、大丈夫です。
とはいえ、装置が歯の裏側についているため、汚れが溜まりやすく、虫歯や歯ぐきの炎症のリスクが高まるのは事実なので、ドクターの言う通りにケアしていくことが何より重要です。
また、あなたがもし、矯正治療を検討中であれば、今からこうした知識を知っておくことは決して無駄になりません。歯磨きは習慣の一部なので、正しい歯磨きが出来るようになると、それは生涯の健康に影響します。
この記事でお伝えした、ちょっとした知恵が、あなたのお役に立てればとてもうれしいです。